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幸せの在り処  作者: yukko
6/13

親友

忍には長い付き合いの親友が居る。

その親友は今遠く離れて暮らしている。

忍はその親友にメッセージを送った。


「ヒカちゃん、元気?

 私、実家に居るの。

 家を出た。

 もう戻らない。絶対に!

 これからハロワに行って就活よ。

 頑張るから、見ててね。」

「しーちゃん! よく決意した!

 就活、頑張れ!

 所で、あいつに離婚届贈った?」

「ヒカちゃん、ありがと。

 離婚届、役所で貰って来たよ。」

「役所で? わざわざ行かなくてもプリントアウト出来るのに。」

「実家だもん。PCもプリンターもないもん。」

「そっか……おばさん、全くネットしないんだ。」

「一応、スマホは持ってるよ。それで十分みたい。」

「まぁ、ネットショッピングは出来るし、メッセージアプリもメールもだね。」

「うん、そうみたいよ。」

「でっ、離婚届はどうするの?」

「郵送で送った。」

「そっかぁ~、郵送で贈ったんだ。」

「ねぇ、さっきから漢字間違ってるよ。」

「どこが?」

「贈ったⅩ 送った〇」

「なぁんだ、それワザとだよ。」

「えっ?」

「尽くしてきたしーちゃんから、下衆のあいつへ最後の贈り物って意味だよ。」

「別に贈りたくないけど。」

「いやいや、贈ろうよ。そして、しーちゃんは自分の明るい未来を築くの!

 お別れなんだからさ、ここは豪勢に! ねっ。」

「じゃあ、豪勢に離婚届を贈りました。」

「いいね! そして、しーちゃんの人生に幸あれ。

 今まで来なかった分、いっぱ~~いね。」

「ありがと。」

「就活、頑張れ!」

「うん、頑張る。」

「遠く福岡から応援してるよ。」

「thank you!」

「おやすみ。」

「おやすみ。」


山崎光は中学の時に友達になって、それからの付き合い。

彼女は福岡に転勤になった。

その時、付き合っていた彼・山崎結弦はプロポーズした。

新婚から単身赴任になることを彼女は嫌がって断った。「別れよう。」と言って……。

すると、「俺、一緒に行くよ。」と言って、「リモートでも業務が出来るから問題ない。」と言い切ったのだ。

結婚式と新婚旅行は1年後。

福岡に二人で行く前に親族だけで顔合わせも兼ねて仮祝言を挙げたのだ。

二人のような愛で結ばれ、信頼し合う関係になりたかったと忍は思っている。

だが、悲しいことに数馬とは冷え切ったまま終わった。


⦅離婚届……着いたかな……。

 ほんと……贈り物だよね。

 きっと喜んでいる。きっと……。

 最後の私からの贈り物よ。

 一番嬉しく思うだろう贈り物よ。⦆


そう思った瞬間、まだ忍の心の中には数馬が居た。愛する人として……。

その想いを消し去り、新しい私だけの私の為の人生を生きると改めて思った。

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