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夢のかけら  作者: 高原 涼子
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 青い空、白い雲。寄せては返す波打ち際。

 見渡す限り誰もいない砂浜の一画で、男子高校生七人による肉争奪戦ーーもとい、楽しいバーベキューですーーが繰り広げられている。

 ちなみに俺は絶賛餌付けされてます。和己と悠さんに構われまくってます。いつの間にやら肉や野菜が皿の上に乗ってます。

「ええと」

 誰かこの暴走止めてください。

 ……ていうかむしろ高槻さんが止めてくれ。

 恨みがましく高槻さんに視線をやる。多分それだけで俺のココロの声が正確に届いたはずだ。だって今、目を逸らした!

「悠さん?」

 楽しそうに俺を構い倒そうとする悠さんの表情はイキイキとしている。声をかけると首をかしげる仕草がなんともかわいらしい。いや、そうじゃなくて。

「俺にばっかり構ってたら、高槻さんが気を悪くするんじゃないかなー、なんて思うんですけど」

「あ、お構いなく」

 構われるのは嫌じゃないけど、ちょっと消耗してしまったので、なんとかしたいなと思った言葉は、なぜか高槻さんにスルーされる。むしろ構ってください。

 さらにスルースキルの高い兄弟プラスアルファは、楽しい会話が弾んでます。

「バーベキューするならデザート作りもやってみたかったんだよね。調べたら簡単に焼きリンゴが作れるらしくて」

 キッチンで芯を抜いてもらったリンゴにバターと砂糖とシナモンを重ねて詰めて、ホイルで包んだのを網に乗せてたり、バナナを皮ごと焼いてたりと充実してるようです。

「高槻兄は甘いの苦手だけど、果物なら食べるよね?」

「……焼いてないのがいい」

 俊の問いかけに穏やかに答える高槻さん。

 俺のもちゃんと残しておいてくれるかな、じゃなくて。

「和己」

 ちょっと涙目になってきたので、そろそろ助けを求めることにする。

 ちなみに買い物から戻ってきたので、和己は遊びモードで現在メガネで行動中。ムダにかっこいいから、苦情を言う前に思わず見惚れてしまうのは仕方ない。俺の目、なんか変なフィルターがかかってるのかもしれない。

「甘やかしてくれるのも、構ってくれるのも嫌じゃないけど、構われすぎるのはちょっとだけイヤだ」

 多分みんな俺に対してどこまで干渉していいのかわからなくて、距離をはかっているのだろうと思う。もちろん、俺もみんなに対してそんなところはある。だから重いなって感じたら素直に伝えようと思ってるんだ。特に和己には遠慮しないことにした。

「ごめん、やりすぎた」

 みじかい言葉がちいさく届く。

「高槻」

 和己の呼ぶ声に振り向いた高槻さんが、悠さんに近づいて

「嫌われたくなかったら終わりにしとけ」

 悠さんの髪に触れて軽くひっぱる。

 くすぐったそうに首をすくめた悠さんが、俺に向かってにっこり笑う。

「ごめんね。恒ちゃんとの距離を詰めようと思って、やりすぎちゃったね」

 なんていうか、この人たちの名前を呼ぶだけで通じ合うところってすごすぎると思うんだよね。

「構ってくれるのはホントにイヤじゃないので……」

 悠さんの表情を見れば、やりすぎないでくれれば構わないというのがきちんと伝わっているのがわかる。

 そんなこんなで無事にデザートの焼きリンゴにもありつけました。

キリがいいので短いですけど今回はここまで。

もうちょっとだけみんなでワイワイ続きます。

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