アウト プレセンタシオン
【あらすじ】
天貝雄哉は、未来から狙われている。
暗殺者4人が送り込まれてきた。
その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、
それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が
間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まったのだが。
【登場人物】
・鉄道研究部
天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし
刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年
奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄
黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務
布良肇 鉄道研究部2年、乗り鉄
恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部
浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部
佐々木 鉄道研究部1年
・未来人
ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在は、雄哉を守る立場として居候中
ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問
「あの、佐々木さんのご出身はどちらですか?」
恩田はなぜか椅子の上に正座している。
「東京都の足立区です。浜河さんのご出身はどちらですか?」
浜河も、緊張の面持ちだ。
「埼玉県の海内です。恩田君はどちら?」
「俺は、群馬の横森です」
「お二人のご趣味は何ですか」
「私は、バレーボールと鉄道です」
「恩田君は?」
「お、俺ですか、サッカーと鉄道です。
通勤系電車が好きです。
浜河さんは、ディズニーランドとシーどっちが好きですか?」
「ストーップ、何よ、そのお見合いみたいな自己紹介は。
ディズニーランドか、シーかなんてどっちでもいいわよ」
「僕は、ディズニーランドです」
「雄哉君は参加しなくていいのよ」
部室では、1年生の自己紹介をしようということになった。
合コン風にやろうということになったのだ。
1年生同士が向かい合って座り、上級生がそれを囲んでいた。
黒崎がいる水曜日、合コン風自己紹介が始まったのだが、
「もっと、気楽にやって
恩田君、男の子でしょ。
もっと、グイグイ引っ張って」
「俺、こんな場面、初めてで。
まだ、足が震えていますよ。
地区大会の決勝以来ですよ」
「浜河さんも、佐々木さんも固い。
もう、合コン慣れしている黒崎君、見本見せてあげて」
「何で、俺なのですか?
いつの間に合コン慣れしているっていう設定になったのですか」
「いいから初めてよ」
「本日は、お日柄もよく、、、」
「はい、次、雄哉君」
「部長、趣旨から外れている気もしますが。
ここは、紙に書いて発表していけばいいんじゃないですか」
各個人が紙に大きな字で書いていく。
そして、他の人に見えるように自分の目の前に上げていく。
何か、どこかのクイズ番組かのようである。
「恩田:何の食べ物が好きですか?」
「浜河:ドリアンが好きです。
においは少しきついですが味は抜群です」
「佐々木:カレーです。
いつも飲んでます。
恩田君は?」
「恩田:カツどんです。
あの卵のフワトロ感が大好きです」
全く会話がない。
部室に静けさだけが、存在する。
耐え切れなくなったのは刈谷だ。
「静か過ぎるわ。こんなの部活じゃないわ」
「天貝:僕、こんな雰囲気好きですよ」
「雄哉君の感想なんていらないわ。
とりあえず、筆談は終わり」
「天貝:もう少しやりましょうよ」
「後で、個人的にやりなさい」
刈谷は頭を抱えた。
そこで、鉄道研究部の常識人奥府が割り込んだ。
「別に、順番にテーマに沿って発表していけばいいいんじゃないか」
結局、授業のように自己紹介をしたのだった。
「ただいま」
とはいっても、雄哉は一人暮らしなので、返事する人はいない。
実際には、未来から来た暗殺者が居候しているのだが、今日は雄哉の方が早く帰っていたのだった。
「まだ、捜索しているのか」
雄哉は、夕日を眺めゆっくりする。
今日の疲れが抜けていく。
ウリエルが帰ってきた。
「お帰り、今日は遅かったね。
って、ちょっと何その荷物」
「ちょっと、横森まで行って来たから。
お土産よ」
ウリエルは荷物が歩いているんではないかというくらい
大量の荷物を持っていた。
雄哉にその荷物の一部を渡してきた。
楚菜と書かれたストラップや食べ物が入っていた。
「横森まで、何で?」
「未来との交信施設や銀行があるの。
指令などのアップデートがないか確認してきたわ。
今日は豚の生姜焼きね」
「うん、初めて作ってみた。
転送装置は、ここでアップデートできないの」
「過去から未来に交信するのは比較的楽なの。
ここにデータを置いておけば、時間の経過通りにデータが残り、
未来で受信するわ。
だけれども、未来から過去への交信は時空を超えるから、
技術的に難しいの。
現段階では、横森の施設でしか、未来からのアップデートはできないの」
「そうなんだ。
で、どう、他の暗殺者は見つかりそう?」
「うーん、まだ、反応は見つからないわ」
「早くしてね。
僕はあまり精神的に強くないからね。
あまりにも遅くなってウリエルを襲っちゃうかもよ」
「大丈夫よ、雄哉に勝つ自信はあるわ」
「勝負してみる?
武器を使うのは駄目だよ」
「いいわ」
2人は、夕食を片付け、対峙する。
先に仕掛けたのは雄哉、ウリエルに近づく。
ウリエルはそれを交わしながら、雄哉の背後をとる。
雄哉はすぐさま振りかえるが、少し遅い。
ウリエルの右手が迫る。
雄哉はその右手を両腕を前に出したてのようにして防御する。
しかし、その力は強く、跳ね飛ばされる。
2人の間が広まった。
膠着状態になり、しばらくの沈黙が走る。
「ちょっと待って、さっき食べた物がでてきそう」
「私もよ、ちょっと食後過ぎたわ」
2人の対決はすぐに終わったのだった。




