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アミスタード アスール  作者: おがわかなた
第1章 アブリル
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アポロジア

「そうなのか。

 暗殺者は、あと3人いるって言っていたけど、

 やはり、子供なの?」


雄哉は、制服に着替えながらウリエルに聞いてみた。


「そうよ」


「なんで?」


「時空を飛ぶことは、危険を伴うの。

 既に色々な体験を持った大人はそのリスクを嫌うわ」


「大人って勝手だな」


「奥さんや子供がいたらなおさらよ。

 そんな人に依頼しないわ」


「それでもさぁ、こんな幼い子に」


「でも、体が小さいからこそのメリットがあるの」


「メリット?」


「体が小さい分、転送装置の容量に余裕ができるの。

 そうすれば、小型化もできるしね」


「大人用と子供用があるということ?」


「いえ、そういうことではないわ。

 あくまでも、体型にかかわらず転送できるようにはなっているけれども、

 容量に余裕があるかないかっていう話なの」


「ふーん、そうなんだ。

 戸締りよろしくね」


雄哉は制服に着替え終わったので、カバンをもち、学校に向かった。







1人の女子生徒が、クラスメートと話していた。


「浜河さぁ、本当に鉄道研究部に入部したんだ」


「そうよ」


彼女は、鉄道に興味はないが、一人の先輩に興味があったのだ。


天貝雄哉、それが興味のある先輩の名前だった。


部活勧誘の時に、一目惚れしてしまったのだ。


彼女は、雄哉が人気が高いのは知っていた。


しかし、彼女は、知り合いになる為、鉄道研究部に入部する事にしたのだ。


今日から、鉄道研究部の一員になったのだ。


「天貝先輩の情報、頼むよ」


そう浜河は言われ、うなずいた。





雄哉は部室に向かっていた。


「雄哉君」


「天田先生、どうしましたか?」


「ウリエルとの生活はどう?」


「もう、我がままでしょうがないですよ。

 味付けが濃いだとか、魚が食べたいとか、気苦労が増えましたよ」


「わがままねぇ~」


天田は神妙な顔をしたが、雄哉はあまり気にならなかった。


「天田先生は、ウリエルとどのような関係なんですか?」


「まぁ、会社の上司と部下みたいなものね」


「何だか、あの時は、ウリエルは知らないみたいでしたけど」


「まだ配属されたばかりの上司だからね」


「今度、うちに来て、ウリエルに会いますか?」


「遠慮しておくわ。

 まぁ、それは大変だけど頑張ってね」


天田と別れ、職員室をでた。






部室に入ると、いつも以上に賑やかだった。


今日から、新入部員がやってくる。


雄哉はどのような生徒が来るか楽しみにしていた。


「あれっ、女子部員ばかり?」


部室を見渡すと、見慣れぬ顔が1名。


女子生徒だった。


「鉄女かなぁ?」


「そんなわけないでしょ」


「部長、どういうことですか?」


「雄哉君狙いよ」


「僕狙い?」


「そうよ、雄哉君と話したい、付き合いたい、そんな女子は鉄研を選ぶの。

 その中でも、少しは鉄道に興味を持ってくれそうな人たちを選んだわ」


「部長も大変ですね」


「だれのせいだとおもっているのかなぁ?」


「い、痛いですよ」


刈谷が雄哉の耳を引っ張った。


その時、一人の男子生徒が部室に入ってくる。


恩田健太郎だ。


「あっ、来てくれたんだね」


「もちろんだよ」


そんな話をしていると、


「彼が、例の恩田君?

 よろしく、私は部長の刈谷朱音よ」


「副部長の奥府健太だ、よろしくな」


「俺は、黒崎真二、よろしく。

 野球部との掛け持ちだけど、毎週水曜日は部活が休みだから顔をだしている」


「奥田健太郎です、よろしくお願いします」


「とりあえず、部活の説明するから、こっちに来て」


「はい、刈谷部長」


「そんな緊張しなくていいわよ」


雄哉は、黒崎と月刊誌の作成に取り掛かっていた。


その雄哉に、刈谷と奥田の会話が耳に入る。


「部活中、席は自由。早い者勝ちよ。

 ただ、だいたいのポジションは決まっているわ。

 入口付近に布良君、雄哉君と黒崎君は真ん中、奥の席が奥府と私、こんな感じね。

 PCは1台しかないの。

 いま雄哉君と黒崎君が座ってPCをいじくって遊んでいるの」


「あそんでなんかいません」


雄哉は反論する。


「PCは主に、資料作成、1ヶ月に1回月刊誌をだすことが、この部の部活としての

活動なの。基本的に1年生が担当することになっているの。鉄道に詳しいんだよね?

今年の1年生は、、、鉄道詳しいの君1人だから、ちょっと負担は大きいかな」


「部長、今なんていいました?」


「月刊誌の作成は1年生?」


「そうじゃなくて、その後です」


「鉄道詳しい1年生は君1人?」


恩田の顔が青ざめる。


しかし、雄哉はそんなことを気にしなかった。


「部長、大丈夫っすよ。

 僕だって去年1人でやってきたんですから?」


「俺がいただろう」


「だって黒崎って、鉄道分からないし、週一しかこないしさぁ」


ガタン


と突然、イスが倒れる音がした。


恩田が土下座を始めたのだ


部員が全員凍りつく。


「すみませんでした。俺、先輩だと知らずに生意気な口聞いてました」


「あれっ、僕、言ってなかったけ?」


「雄哉君、言わなかったの」


「雄哉、黙っていたのか」


「ゆうや、自首しろ」


雄哉は一斉に非難を浴び、困惑した。


「聞かれなかったし、別に同じ高校生なんだから、いいんじゃない」


と反論したが、


「雄哉君は、私にも生意気な口を聞こうと思っているんだ」


「雄哉、俺にもタメ口なのか」


「ゆうや、最悪」


「もう、僕は、誰にだって丁寧に接しますよ」


雄哉は


「ほら、顔を上げろよ。僕は、部長みたいにそんなこと気にしていないから」


「先輩、俺、部に残っていいんですか?」


「大げさだなぁ。恩田は僕の親友だよ」


雄哉は、優しい言葉をかけたのだが、割って入ってきたのは黒崎だった。


「ゆうや、親友2号できてよかったな」


「2号。

 そうだな、僕にとって刈谷部長に続く親友第2号だよ」


「私、いつの間に親友だったの」


「おい、俺は何なんだよ」


「黒崎は、知り合いだろ」


「まだ、そのレベルなのかよ。

 幼なじみなのに」


黒崎が肩ををおとし部室が笑いに包まれた。


新生 鉄道研究部がスタートした。

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