ベルグゥエンサ
【あらすじ】
天貝雄哉は、未来から狙われている。
暗殺者4人が送り込まれてきた。
その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、
それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が
間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まった。
残るは1人、ラファエル残すのみとなった。
【登場人物】
・鉄道研究部
天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし
刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年
奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄
黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務
布良肇 鉄道研究部2年、乗り鉄
恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部
浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部
佐々木 鉄道研究部1年
・未来人
ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在は、雄哉を守る立場として居候中
ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問
夏休み初日、雄哉の携帯電話が鳴った。
恩田からだった。
「雄哉先輩、寂しいっす。
どこか行きましょうよ」
そう言って、宮田駅で恩田と待ち合わせる事になった。
夏休みだったので、多くの人が待ち合わせをしていた。
浮き輪をもった人、本を読んでいる人、携帯をいじっている人など様々だ。
恩田とどこに行くかは決めていない。
「俺、この夏になったらやってみたいことがあったんっすよ」
「カラオケ」
「カラオケかぁ、僕も行ったことないな」
2人はカラオケに行く事に決め、店選びを始めた。
「どこがいいか分からないですね」
「あ、あそこにカラオケってかいてあるよ」
2人はその店に意を決して入ってみた。
しかし、そこはカウンターがあり、その奥には見たことのないような
お酒が棚に敷き詰められていた。
「あらぁ、かわいい坊やたちね。
興味はあるかもしれないけど、未成年にお酒は提供できないの」
慌てて外に飛び出す。
「雄哉先輩、カラオケスナックってかいらりりりゃううよ」
恩田の顔色が赤い、お酒のにおいだけで酔っ払ってしまったようだ。
「せんぱいが、3にんいりゅ、しょんなじゅつどこで$%&3#」
最後の方は聞き取れなかったが、とりあえず落ち着かせるため、座る場所を探し、
一度、カラオケ店の捜索は中断した。
「どうしますか、雄哉先輩」
落ち着きを取り戻した恩田が尋ねてきた。
「まぁ、もう一度、トライしてみるか」
2人は、カラオケ店の前に来ていた。
「ここは普通のチェーンカラオケ店ですよ」
「そうだな入ってみるか」
中に入ると、カウンターがあり、そこに店員がいる。
「いらっしゃいませ」
声をかけられ、2人は硬直する。
「恩田、どうしたらいいんだ」
「とりあえず、待ってみますか」
2人は立ち尽くしていると店員が、
「こちらにお名前をお書き下さい」
そう指し示されたのはカウンターの用紙だった。
「俺の名前っすか」
「はい」
「俺、嫌っすよ。雄哉先輩にして下さい」
「僕も嫌だよ」
「ここに書いて、変な電話来たら嫌っすよ」
「大丈夫ですよ、電話番号は記載していただいていないですから」
店員がそういうが、
「俺は嫌っすからね」
「僕も嫌だからね」
「そうしたら、2人の名前、連盟にしましょうよ」
雄哉 & 恩田、昭和歌謡のアーティストのような名前になってしまった。
2人は指定された部屋に入った。
部屋が真っ暗だったので、電気をつける。
「さぁ、歌いましょう」
「楽しみだな」
そう2人はいったものの、しばらく沈黙がはしる。
「雄哉先輩歌ってくださいよ」
「恩田こそ」
再び沈黙。
「恩田、どうやって歌うんだ」
「えっ、マイク持って。
あ、ありました、これ」
「僕、あまり歌知らないけど」
「じゃあ、予約しちゃってくださいよ」
「で、どうやって予約するの」
「確か、親父に聞いたんっすけど、本があって、そこで自分の見つけたい
曲を探して、リモコンで数字を打ち込むって聴いたことがありますよ」
「その本は」
2人は本を探し始めた。
机の下、イスの上、棚の上、テレビの後ろなど探すが、本が見つからない。
「ないっすよ」
「店員が忘れたんじゃないの?」
「ちょっと、言ってきます」
恩田は一人外に出て行った。
戻ってきた恩田は、本を2冊持ってきたが、どこかしら、赤面していた。
「どうだった、恩田」
「はい、分かりました、やり方が」
そう言って、恩田はテレビの下にあったタッチパネル式のリモコンを
雄哉に渡した。




