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アミスタード アスール  作者: おがわかなた
第4章 フリオ
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スヘレンシア

【あらすじ】

天貝雄哉は、未来から狙われている。

暗殺者4人が送り込まれてきた。

その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、

それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が

間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まった。

残るは1人、ラファエル残すのみとなった。



【登場人物】

・鉄道研究部

天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし


刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年


奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄


黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務


布良肇  鉄道研究部2年、乗り鉄


恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部


浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部


佐々木   鉄道研究部1年




・未来人

ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在は、雄哉を守る立場として居候中


ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問

期末試験まであと1週間。


雄哉はそれに集中したい、という気持ちはあったが、

そうも言っていられない状況であった。


まだ、自分が殺される可能性が残っているからだ。


とはいっても、この時点で来ないのは、もう1人の暗殺者に

殺す意思がない可能性が高いとのウリエルの言葉に

少し安堵していた。


「捜索活動はどんな感じなの?」


「まだ反応が見つからないわ」


たいてい、雄哉の問いにはウリエルが答える。


他の二人は、何事もないように朝食を食べている。


「この調子なら、夏休み前には終わりそうだよね」


「そのつもりよ。

 私たちも、早く帰って、別の案件に取り組みたいわ」


「案件って、子供の言うことじゃないよね」


「何って言ったらいいの?」


「うーん、遊び、とか」


「バカなこと言わないで。

 私たちは遊びでここまできているわけじゃないのよ」


「すみません。

 ところで、今日はどこに行くの?」


「今日は、未来銀行に行ってくるわ。

 ついでに、その後、栃木辺りを回ってくるから、

 今日は帰れないわ。」


「2人で行くの?」


「今日・明日で、栃木をつぶしたいからね」


「分かった、気をつけてね」






昼休み、雄哉は昼食を済ませ、本を読んでいた。


いつもの習慣だ。


図書室に行って静かに本を読むのも好きだったが、

クラスメートの声を聞きながら本を読む飲む好きだった。


そこに、身長の高く、がっちりした男子生徒が近寄ってくる。


「何の本を読んでいるんだ?」


黒崎は、雄哉の隣の席に座り、そう尋ねた。


「料理の本」


「自炊しているのか?

 たいしたもんだな」


「そうでもないよ。

 料理なんて、材料さえあれば、あとは手順どおりにやれば

 できちゃうからね」


「俺なんか、ご飯さえ炊けるかどうか」


「黒崎、何か用事があるんじゃないの?」


雄哉と黒崎は違うクラスだ。


昼休みにわざわざ来るほどの事があるのだ。


「この前、中間で45位に下がっちゃって。

 勉強一緒にやらないか」


「構わないけど」


「テスト予想とか頼むよ」


「今日、うちで泊り込みでやらない?」


「放課後図書室とかでよかったんだが、ゆうがよければ、

 それでいいぞ」


「その代わりさ、、、」


雄哉が黒崎に耳打ちをする。


黒崎はそれにうなづいた。


ここに、鉄道研究部の存亡をかけた計画がスタートする。








試験1週間前なので、部活はない。


試験前は、皆、一斉に帰るので校門までの道が混雑する。


放課後、雄哉は、恩田のクラスにきていた。


「雄哉先輩の方から、俺に会いに来てくれるなんて。

 俺、感激です」


「あぁ、ちょっと、これな」


「あっ、それ、宇都宮線バージョンの新しい鉄道模型じゃないですか?」


「そう、昨日、発売日だったから、買ってきたんだよ。

 今日、運行しようと思っているんだ。

 よかったら、ウチによっていかない?」


「もちろんですよ」


恩田は目を輝かせる。


「いいんですけど、先輩、試験勉強は?」


「1日くらい大丈夫だよ」


「そうですよね、1日くらい。

 ちょっと待って下さいね。

 帰りの準備してきます」





雄哉の家に到着した。


「お邪魔します」


「どうぞ、上がって」


「お茶用意するから、座って待っていて」


「お構いなく、205系の運行見たら帰りますから」


「そんなゆっくりしていってよ」


「いえ、先輩の勉強の邪魔になっちゃったらいけないですから」


「大丈夫、今日は皆で勉強だ」


声がしたのは、雄哉の方ではなく、玄関の方向からだった。


「えっ、黒崎先輩」


「はい、お茶どうぞ」


「何ですか、雄哉先輩」


「今日はゆっくりしていってね」


「205系の運行は?」


「試験前にやるわけないじゃないか。

 さぁ、勉強するよ」


「いやー、だまされたー」


恩田の悲痛な叫びがこだました。






時間だけが進んでいた。


恩田は、周りの雰囲気に流され、教科書は出していたが、

ペン回しをしたり、他の2人の様子をみたりするだけであった。


「よく、勉強なんてできますね」


「意外と楽しいぞ。ゲームみたいで。先生との戦いだからな」


「それあるね、あの先生だから、ここ出すとか、意地悪な先生は

 この名称ださないとか、推測しながらやると面白いよね」


「俺なんか、もう中学時代に勉強諦めましたからね」


「何、言っているんだよ、恩田は勉強好きだよね?」


「そうだ、恩田は勉強が好きだよ」


「へっ、何言っているんですか、、、」


「恩田、お前は勉強が好きだ」


「お前は勉強ができるぞ」


「俺は、、、俺は」


「恩田以上に勉強好きな人はいないぞ」


「勉強したいよね、恩田」


「はい、俺、勉強します」


恩田はついに教科書を開いて勉強し始めた。


その目は何かうつろであったのは、2人にとって関係なかった。


勉強して、成績さえあがってくれれば、ただそれだけだったのだ。

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