トランスフィギュレーシション
【あらすじ】
天貝雄哉は、未来から狙われている。
暗殺者4人が送り込まれてきた。
その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、
それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が
間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まった。
残るは1人、ラファエル残すのみとなった。
【登場人物】
・鉄道研究部
天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし
刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年
奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄
黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務
布良肇 鉄道研究部2年、乗り鉄
恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部
浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部
佐々木 鉄道研究部1年
・未来人
ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在は、雄哉を守る立場として居候中
ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人
現在の世界に滞在、捜索中
天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問
試験前日、昼休みに雄哉は恩田の様子を見に来ていた。
「雄哉先輩、どうしたんですか?」
「勉強は進んでいるか?」
「順調っすよ」
教室にはいつもより多くの生徒が残っていた。
試験勉強を昼休みにしようと思っている人の分だけ、
多くなっていたのだ。
それに混じって、恩田が教科書を開き勉強をしていた。
雄哉は時々、恩田の席に来ていたので、隣の席の男子生徒とも
話すようになっていた。
その男子生徒が雄哉に話しかけてきた。
「こいつ、最近、勉強ばっかりっすよ。
あんなに遊んでいたのに」
「そうなのか。
恩田、勉強は好きか?」
「雄哉先輩、それは愚問です。
俺にとって、勉強は人生そのものですよ」
「ちょっと、極端すぎるな」
「何ですか、雄哉先輩」
「いや、なんでもない」
「恩田、休み時間も勉強しているんですよ。
勘弁してほしいですよ」
「俺は、試験前なのに、勉強しない奴なんて信じられないよ」
「中間、237位の奴が言うか」
「あははぁ」
雄哉は、笑うしかなかった。
思ったより、恩田への刷り込みは効いていたらしい。
「まぁ、これで、恩田の成績が上がればいいんだけどね」
雄哉は安心して教室を出た。
恩田が最下位になったら、鉄道研究部は同好会降格の危機になる。
なんとしても阻止したい雄哉は恩田の面倒を見ていたのだ。
「僕も頑張らないとな」
雄哉は改めて決心する。
雄哉は、放課後、図書室で1人勉強していた。
学年10位以内を目指し、最後の調整をしていた。
静かではあるが、それゆえに足音が目だって聞こえる。
そんな空間が雄哉は好きだった。
特徴的な足音が響く。
「刈谷部長」
雄哉は、振り返らず声をかける。
「勉強順調そうね」
「えぇ」
「恩田君の面倒も見てくれているんだよね。
まさか、あんなにひどい成績だったとはね」
彼らは、周りの迷惑にならないように小声で話す。
「そちらも順調ですよ。
今日、昼休みに様子を見に行ったら、勉強していましたよ」
「そうなの?」
「試験前に勉強しない奴は信じられないと言うくらい変貌していました」
「どうして考え方が変わったのかしらね」
「さぁ、何かあったのでしょうね」
「まぁ、よかったわ。
部の存亡危機だものね」
「安心してください。
恩田は自分でやると思いますので、僕らが心配する必要ないですね」
「あっ、この名称,
毎年出しているみたいだから
覚えておいた方がいいわよ」
そう言って、刈谷は去っていった。
校門に向かっていると雄哉は声をかけられた。
「ゆう」
「黒崎、お前も学校で勉強してたのか?」
「あぁ、野球部の連中と。
やっぱり、他の人とやると自分がチェックしていなかったところまで
確認できるな」
「意外とチェックがもれた事に気付かないよね」
「恩田はどうなんだ?」
「昼休み、様子見たけど、見事な変貌ぶりだったよ」
「そうなのか?」
「勉強しない奴は屑だってさ」
「あいつが言えるたちか」
「まぁ、休み時間はずーと勉強しているって」
「よかったよ。泊り込みの成果あったな」
「成果が出すぎて怖いよ」
「それじゃ、明日、検討を祈る」
雄哉と黒崎は別れた。




