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アミスタード アスール  作者: おがわかなた
第1章 アブリル
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ムセオ

【あらすじ】

天貝雄哉は、未来から狙われている。

暗殺者4人が送り込まれてきた。

その未来は、雄哉を殺すという決定を下した後に、

それを撤回したが、送り込まれた暗殺者への撤回命令が

間に合わず、現在の世界での捜索活動が始まったのだが。



【登場人物】

・鉄道研究部

天貝雄哉 本編の主人公、未来の暗殺者に狙われているが自覚なし


刈谷朱音 鉄道研究部部長、3年


奥府正也 鉄道研究部副部長、3年、撮り鉄


黒崎真二 鉄道研究部2年、野球部と兼務


布良肇  鉄道研究部2年、乗り鉄


恩田健太郎 鉄道研究部1年、雄哉の誘いで鉄道研究部へ入部


浜河百合子 鉄道研究部1年、雄哉に一目惚れし入部


佐々木   鉄道研究部1年




・未来人

ウリエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在は、雄哉を守る立場として居候中


ミカエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


ガブリエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


ラファエル 未来の暗殺者 四天王の一人

     現在の世界に滞在、捜索中


天田由紀子 未来から来た謎の女性、臨時教員、鉄道研究部顧問


宮田駅は、土曜日だが、いつも通り、賑わっていた。


学生、家族連れ、カップルなど多くの人が待ち合わせ場所にいた。


雄哉は、予定していた電車に乗り遅れ、待ち合わせ時間に少し遅れていた。


既に、恩田は約束の場所にいた。


「ごめん、遅れた」


「俺も、来たばかりですよ」


「さすが、混雑しているよね」


彼らは、別の電車に乗るため、コンコースを歩いていた。


JR東日本の鉄道博物館に向かっているのだった。


「久しぶりだな、ニューシャトル」


「俺は、初めてです」


「ニューシャトルなんて、通勤客か鉄道博物館利用しかないからね」


ニューシャトルは埼玉県中央部を走行するゴムタイヤ式新交通システムである。


宮田駅での折り返し施設はなく、ループ上になっており、上り電車がそのままの進行方向で下りになれるのだ。


「やっぱり、狭いな」


「そうですね。でも、最近、ニューシャトルも拡幅車両を導入したらしいですよ」


「何mm増えたの?」


「160mm広くしたらしいです」


「これじゃないよね」


「これは、黄色いので古いタイプですね。

 ネットでみると、新型車両は小豆色でしたよ。

 ニューシャトルからは想像できない色ですね」


鉄道博物館駅に到着した。


特に目的があるわけではなかったが、鉄道博物館に行ってみようという話になったのだ。


「建物は綺麗だねぇ」


「あっ、先輩、あそこ、何かやってますよ」


「何々、体験コーナー」


「先輩、食べながら新幹線見れますよ」


「あぁ、新幹線ね」


「先輩、運転手シュミレーターですよ」


「ふぅ」


「先輩、特急の飲食スペースですよ」


「恩田、ちょっと待って、もう疲れたよ」


雄哉は立ち止まり、空いていたイスに座ってしまった。


「ちょっと休憩。もし、行きたいところがあれば、行ってきて。

 ここで待っているよ」


恩田は一人消えていった。


雄哉は、ここ数週間の激動を思い出していた。


未来から来た暗殺者、謎の女性で現在は雄哉の高校の臨時教師。


色々な想いが頭を巡る。


どうしてこんなことになったのか。


いつものことだが、回答はでない。


相談できるのは、天田だけである。


友人にこの話をしたって信じてもらえないはずだ。


さらに、美少女と同居しているとなったら、何を言われるか分からない。


「雄哉先輩」


「あ、あぁ、どうだった」


「古い車両とかはやっぱり赴きありますね

 機関車はやっぱり迫力ありますね。

 雄哉先輩も行きますか?」


「いや、僕はもう満足だよ。

 そろそろ行こうか」


「そうですね、そろそろ行きましょうか」






雄哉は、恩田の家に初めてきていた。


恩田の孤児院時代の話や現在の両親に引き取られたこと、地毛が嫌で、

黒髪に染めているなどを聞いた。


「恩田は苦労していんだなぁ」


「いえ、でも、俺はこの生活が楽しくてしょうがないですよ。

 俺の話はこれで終わりにしましょう。

 雄哉先輩の話が聞きたいです」


「僕の?」


「黒崎先輩と幼なじみなんですよね?

 小中学生の頃ってどうだったんですか?」


「僕と黒崎は、家は近かった、とはいっても、歩いて10分くらいだったよ。

 いつのまにか、仲良くなって、遊んだり、夏休みの宿題を一緒にやったりしていたよ」


「部活は?」


「黒崎は野球部、僕はテニス部だったよ」


「雄哉先輩テニス部だったんですか?」


「ソフトテニスだけどね」


「成績はどうだったんですか?」


「僕は、大会に出れなかったよ。

 部活で選抜の試合があって負けてしまったから出場できなかった

 野球部は強かったから、結構いいとこまで行っていたよ」


「そうなんですか?」


「野球部は僕らの学年は、暗黒世代と呼ばれてしまったんだ。

 だから、あまり黒崎には、中学時代の野球の話は聞かないでほしいんだ」


「暗黒世代?」


「僕らの2年の時に、僕らの同級生の活躍で、地区大会準決勝まで

 行ったんだ」


「それは、黒崎先輩なんですか?」


「黒崎は、補欠だったらしいよ。

 その同級生は、大会前からマークされていたらしいんだけど、

 それでも準決勝まではすごかったらしい。

 で、決勝でその同級生との勝負は避けられて敗退してしまったらしいんだよ」


「勝負の世界ですから、しょうがないですよね」


「僕はその同級生とは話をする程度だったから、その後の様子は知らないんだけど、

 相当精神的にショックを受けて、しばらく部活にもいけなくなっちゃったらしいんだ」


「その同級生はどうなったんですか?」


「黒崎が説得して野球部に戻ったらしい」


「不運ではありますけど、うーん、まだあまり実感はないですね」


「この先があるんだ。

 この同級生は、セカンドを守っていたらしいんだけど、3年生引退とともに、

 投手も兼任する事になったんだ。

 そしたら、1番手の投手になったらしいんだ。

 その同級生を中心に、練習試合は無敗で、地区大会の優勝候補にも上げられた」


「そんな強いチームだったんですね」


「さぁ、迎えた地区大会。

 初戦、いきなりその投手は崩れたんだ」


「どうしてですか?」


「後に分かった話なんだけど、朝から、右肘に違和感を感じていたらしい。

 かばいながら投げていたかららしい。

 まだ、1アウトもとれず、ついに右肘は限界を向かえ、そのままその同級生は

 病院へ直行、彼を失ったチームは初戦で大敗。

 彼に頼りすぎていた部分はあったらしいよ」


「確かに、実際にあったら、思い出したくないような話ですね。

 その同級生はどうしたんですか」


「野球を止めたという話を聞いているよ」


「右肘は治ったんですよね?」


「右肘壊した後、1度だけ話したけど、しきりに右肘を気にしていたよ」


「なんかそういうけがってこわいですね」


太陽が少し傾き始めた。


「もうそろそろ、帰るね。

 今日は楽しかったよ。ありがとう」


「雄哉先輩、駅まで送っていきますよ」

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