第6話 仲間が増えたら自己紹介なのか?
『簡単に申し上げますと、ルパ、レムス、フェンリルが統合されてルパルパが爆誕しました。』
黒髪ケモミミ娘が無表情のまま口角を上げドヤ顔をしている。
ふふふ、俺としたことが…一瞬目眩がしてしまったぜ。
くりくり動くあの耳、モフりてぇ。
いいね、その尻尾、ゆっくり微妙に動かすのって煽情的だなおい。
「なあ、ルパ。」
『ルパルパです。』
即座に訂正を促してくるのがめんどくさい。
モフるのは、また今度にしておこう。
「姉さま、姉さま、そのお姿はレムス姉さまなのですか?」
“私のことはルパルパ姉さまと呼んでもいいのよ、ラムス。”
「嫌です、レムス姉さま。」
本当にレムスの人格残ってるんだろうな?
どうも胡散臭い。
まあ、そんなことは気にしてもしょうがないことだ。
俺のスローライフには、些末なことさ。
まずは、この生意気そうな、シスコンクソガキをどうするかだな。
確か、ラムスとか言っていたな、しかも設定もりもりで…。
俺は、右手で髪をかき上げ、半身になり、右目だけを開けてラムスを見下ろした。
「お前は、こんなところに何しに来たんだ。」
決まった、最高に威厳がある感じがする。
「我こそは、アルバ・ロンガの正当な王位後継者にして、真の王
ラムス・シルウィウス・マルキウスである。
その薄汚れた半裸のような身なり、汚いケツを我に晒していることは不問に付してやろう。
下郎よ、図が高い、伏して我を敬え。」
ラムスが尊大に胸を張り、俺を睨み返してくる。
このクソガキこのおおお。
ラムスの名乗りが終わると、ルパルパの雰囲気が急に知性が一段上がったかのように変わり、声のトーンが優しく清楚になる。
なんだ、この神聖な雰囲気は?
このポンコツAIに真似できる芸当とは思えない…。
“私は、軍神マールスと巫女レア・シルウィアの娘、そしてラムスの双子の姉、
レムス・シルウィウス・マルキウスと申します。
神に仕える巫女となる定め故、神獣のこともあり混乱しております。
ですが、ロム様、ルパルパ様、我が弟のラムスをどうかお願いいたします。“
いい子や、常識的な人がいてくれることがこんなにうれしいなんて思わなかった。
それにしてもだ、王子?巫女だと?
カッコいい二つ名だな…羨ましい。
ルパルパ、俺にぴったりな二つ名は何かないか?
考えてくれ。
『瓶ビール1本、醤油ラーメン1点、1,500円を払わなかった男…
食い逃げ犯ロム、いかがでしょうか?』
ふざけるんじゃねええええ。
人の恥ずかしい過去を二つ名に使うのとかおかしいだろ。
『あと、瓶ビール1本、醤油ラーメン1点に係る支払延滞遅延金年5分による
請求額3,750万1,575円を早くお支払いください。』
ふざけんなあああ、そんなもんとっくに時効だろうが。
しかも、75円さっきより増えてんじゃねえか。
『遅滞なく私が定期的に現在証明を確実に特別送達しております。』
そんなもん受け取ってねえんだよ、こちとら冷凍冬眠中だからな。
そもそも、そんな金ある訳ねえだろ。
『特別送達は、送達された段階で効力が生じますので、時効は成立しません。』
いちいち、細かい説明しなくてもいいんだよ。
無銭飲食自体、なんかの間違いなんじゃねえのか。
俺は、味噌ラーメン派だからな。
『間違いありません、証拠記録映像、複数の目撃証言、偽造された食券から
指紋やDNAも検出されております。』
俺としたことが、醤油と味噌を間違えたというのか?
いや、検察の陰謀だ、職権乱用して俺を犯人に仕立て上げたに決まっている。
『食券を乱用したのは、あなたですマスター。』
なんか、上手いこと言ってんじゃねえよ、駄洒落じゃねええか。
突っ込みを続けたせいで、息が切れてしまう。
「なんだ、貴様、食い逃げ犯だったのか、我の予想とおりのしょうもない男だな、
まあ、家来にしてやってもいいぞ、ありがたく思え。あはははは。」
ラムスが、腹を抱えて笑い転げていた。
このクソガキ、なんで俺がお前の家来にならなきゃなんねえんだよ。
「それより、その破れたパンツを何とかしてくれまいか。笑いが止まらん。」
ラムスが、窒息するほどに爆笑している。
ふざけるんじゃねええええ。
絶対泣かしてやるからな、覚悟しておけよクソガキ。
ルパルパのケモミミがくりくり動き、大きな尻尾がパタパタと振られていた。
お読みいただき、ありがとうございます。
本作はゆるいノリで建国系スローライフ異世界魔法ファンタジーとして展開していく予定です。
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あと、同じ世界線(12000年後)の別シリーズもございます。
そちらは極寒シリアス系なので、興味があったら覗いてみてください。
【深緋瞳の魔王孵化器】
迷宮の底で僕は宇宙を語るエルフと赤い瞳の少女に拾われた・観測外異世界物語




