第7話 先ずは装備を整えるべきなのか?
「しかし、我の服も汚れてしまったな、どうしたものか?」
ラムスが自身の服を払ってため息をついている。
ほとんど、汚れてないから。
俺なんか、破れて尻が見えてるブリーフ一枚しか履いてないから。
“ラムス、私がルパルパ様にお願いしたわ、服を準備してくださるそうよ。”
ああ…レムスの方だな、一人二役とか、めんどくせえ設定だな。
しゃべり方が違うからなんとなくわかるけどさ。
次から、レムスの時とかは、目の色を青にするとか、なんか違いだしてくんない?
『承知いたしました。ルパルパは、デフォルトの赤とします…。』
「レムスはどうすんだ?」
“ロム様、私はレインボー、フラッシュする感じがいいです。”
ふざけんなあああ、ボーナス確定かよ、黙って青にしろ。
ホントにレムスは巫女になる定めなんだろうな、神に仕える子供の発言じゃねえな。
『ラムス様、替えの御召し物の準備が整いました、お着換えお手伝いいたします。』
「ルパルパ、助かる、そこの下郎とは出来が違うな。」
このクソガキが…。
細く均一に紡がれた純白の羊毛が美しいドレープ形作っている。
衣服の縁には、紫の色の帯が大きくアクセントとして入っていた。
身体に巻き付くような上着の下には、鮮やかな紫のチェニックを着込んでおり、紫に染められた革靴には、金の刺繍が施されている。
やけに紫だらけだな、こいつの趣味か?
『白とティリアン・パープルの意匠です。
後、構造場防護機構、慣性テンソル変形による空間高速立体機動能力、高励起収束粒子砲2門、
閉鎖系フォトニックコンピューティングによる
万全のAIサポートユーザーインターフェースを備えております。』
ん?
なんか、途中から訳わかんないこと言ってなかったかな?
まあ、いい、なんか貴族が着るようなすごい服なんだな。
まさに王子様って感じだな。
「ルパルパ、俺もパンツがボロボロだ、俺にも着るものをくれ。」
『マスター、前は隠れてますし、まだ履けますよ、エコを心がけてください。』
ふざけんな、バカやろおお。
ケツが丸見えのパンツのどこがエコなんだよ、もはや廃品だよ。
さっさと、着るものよこせ。
俺は、破れたパンツを脱ぎルパルパに投げつけた。
どうだ、このままだとお前のマスターは、社会的に死ぬぞ、早く着るものをよこすんだ。
ルパルパは、俺が投げつけた破れたパンツを素早く受け取ると、一瞬だけ、匂いを嗅ぎ、ポケットにしまい込んでいた。
ぞわぞわした。
お前、どっか壊れてんじゃねえのか?
次の瞬間、宇宙船から白いものが射出され、俺の顔に被さった。
それは、1枚の真っ白なブリーフだった。
またブリーフ1枚なのかよこのやろおおお。
まともな服よこせや。
『早く履いてください、早くしないと、ラムス様が爆笑しすぎて窒息死します。』
うるせえええんだよ、このポンコツ野郎。
おれにも、あんな感じのかっこいいやつよこせ。
『わかりました、マスターにはブリーフが一番似合うと判断したのですが残念です。』
どうも、ありがとうございます。
直ぐに、宇宙船から、金色の何かが複数射出された。
どうやら、俺好みの派手でかっこいい服をチョイスしてくれたようだ。
分かってるじゃねえか、ルパルパ。
金のスパンコールの浴衣と金の羽の背負飾りだった。
ふざけんな、こんなの着たら、あのサンバ歌いたくなるじゃねええか。
これは、俺の方向性ではない、やりなおせえええ。
『めんどくさいですね…。』
再度、宇宙船から地味な色合いの何かが射出される。
ごわごわした粗末な羊毛で織られた、袖の短い膝丈のワンピースのような服だった。
粗末な革と木製のサンダルもある。
「ルパルパ、これはなんだ?」
『チュニカとスクルポネエアです、
マスターはスローライフを志向されておられますので、現住知的生命体の衣類を
基準に準備させていただきました。あと、オプションで木の棒もついてますよ。』
あ…そうね…そういうことね。
そうだ、俺には最初から、ハイスペック装備とかはいらない。
異世界スローライフは、自分でクラフトしてなんぼだ。
分かってるじゃないかルパルパ。
まさに、異世界冒険者風とはこのことだな、あはははは。
『さすがマスター、バカでありがとうございます。』
「おうよ。」
文明的な服を着ると、気分がいい。
パンイチ半裸とは、もはや異次元の差としか言いようがないな。
『マスター、これまでのご請求金額をお知らせいたします。』
ん?
『ラムス様の服|(機動戦闘装束)、
242億円、年間メンテナンス費用15億円が別途かかります。
マスターの服、1,980円、サンダル680円、パンツ3枚980円です。
パンツに関しましては、単品330円ではなく、3枚セットで10円引きです。
お支払いは忘れずによろしくお願いいたします。』
「…なんなんだよ…その金額は、しかもなんで、俺がクソガキの服代を払うんだよ。」
『ラムス様は、未成年ですから、マスターがお支払いするのが道理です。』
ふざけんなあああ、額がおかしいだろ。
値引きが10円だけも納得いくわけねえだろうがああああ。
「ロム、従者としてふさわしい格好だ、なかなか様になっているな。」
ラムスが俺のことをみて、愉快そうにカラカラと笑っていた。
※うんちく
ローマ時代、ティリアン・パープル(貝紫)は皇帝や皇族だけの特権(禁色)になってるよね。
チュニカとスクルポネエアは、平民や奴隷の標準衣服だね。
本作はゆるいノリで建国系スローライフ異世界魔法ファンタジーとして展開していく予定です。
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