↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/29

第11話 クラフト系スキルはチートの基本なのか?

 地上にでたところ、見渡す限り小高い丘と湿地帯と森だらけ。

 近くに町や村があるようには見えない。


 「ラムス…おい、おいってば、いつまで寝てんだよ。」


 「なんだ、もう、ご飯の時間か?」


 さっき腹いっぱい食べたばかりだろうがクソガキ。

 可愛らしく目をこするようなしぐさをしても俺は騙されないからな。


 「お前の国、アルバ・ロンガはどこだ、どこにもないじゃないか?」


 「そんなの当たり前だろ、あそこに流れているテヴェレ川の遥か上流だ、

 そんなことより、寝床を準備しろ、後、お前臭いぞ。」


 うるせえんだよ。

 人の背中で、気持ちよく勝手に寝ておいて、目が覚めたら臭いだと。

 どこまでも、ふざけたクソガキなんだ…。


 『マスター、この付近には、知的生命体は居ないようですね。』


 カタログ上は世界最高峰のAIがそういうなら確かな情報なんだろう。

 しかしだ、考えようによっては悪くない。

 

 そう、俺の目的は異世界スローライフ、つまりここに拠点を構築するのに、周りに人がいないというのは非常に都合がよい。

 勝手に、ここに家を建て、畑を作ってしまうのだ。

 そうすれば、もはや、ここは俺のものだ。

 あっはははははは。


 しかし、周りは、見渡す限り小高い丘と湿地帯と森だらけ。

 どうやって家を作ったものか?


 テンプレの異世界ものだと、チートなアイテムとかで簡単にものが加工できて、あっという間に家とか畑とかクラフトできるのだが…。

 俺は、背中で寝ているラムスを地面に下ろし、ルパルパを横目で見た。

 ルパルパは、キョロキョロと周囲を観察している。


 下手に頼むと法外な金額を請求されかねない。

 俺の予想だと、多分ルパルパはチートアイテムなり、チート機能を持っている。

 問題は、いかにルパルパを出し抜いて、それを手に入れるかだ。

 ルパルパと目が合った。


 「俺と思考を共有している訳だから、考えていることはわかるだろう。」


 『当然です、マスター。』


 「なら、話は早い、タダで何とかしろ、俺にチートアイテムをよこせ。」


 『可能です。ですが気分的に嫌です。』


 ふざけんなあああ。

 ルパルパ、お前は俺にたしか


    “貴方を全力でお守りし、あなたのご命令に絶対服従いたします”


 って言ったよな、全然話違うじゃねえかよ。

 しかも、気分的に嫌だって言わなかったか?


 『タダで対応した場合、私の報酬系が1ミリも満たされません。

 つまり、やる気が出ません。

 もっとルパルパを称え、敬い、崇め、這いつくばって、地面に頭をこすりつけて

 お願いしていただければ検討しないこともありませんが。』


 このポンコツAIがああああ。

 しかも、さっきから、ピコピコ耳動かして、尻尾クリクリ振りやがって…。

 完全に俺を舐めてんな。


 『まあ、今日の所はなんか面白い一発芸でいいです。

 あと、下ネタはNGですからね、即、BANしますから細心の注意を払ってください。』


 どこの世界に、主人に一発芸を要求するAIがいるんだよ。

 

 おかしいだろがああああ。

 

 この時、俺は、さすがに頭に血が上り、ルパルパに掴みかかってしまった。

 別に暴力を振るおうとか、そういうものではない。

 肩を掴んで揺さぶるくらいのことを意図しただけだ。


 いわゆるボケに対する、どつきツッコミみたいなもんだ。

 本当にそうなんだ、信じてくれ。


 ルパルパが鮮やかに身をかわし、俺に足払いをしたことで、俺の身体は宙を舞った。

 俺は、突然の浮遊感にパニックになり、無我夢中で何かを掴んでしまった。

 

 指先に、妙に柔らかくて温かい感触が吸い付く。

 漆黒の毛の割にフワフワ、モフモフで最高の尻尾だった。


 

 その瞬間、ルパルパの桃色の悲鳴が弾けた。


 

 なんだよルパルパ、尻尾掴んだだけで、なんか大げさなんだけど。

 ルパルパがへたり込み、顔を赤らめて、呼吸を激しく乱している。


 『マスター…まさかここまでとは…はあ…はあ…何でも言うことを聞きましょう。』


 ん?


 どうした急に?

 急にルパルパがしおらしくなったな。

 まあいい、なんか知らないが、タダで何とかしてくれるのはありがたい。

 結果オーライだ。


 『ピクス型ドローンをマスターの言語コマンドUIでコントロール可能にしました。

 物資運搬はもちろんのこと、レーザー精密加工、情報収集、移動など、万能用途に利用できます…。』


 「おおお、いいね、いいね、なんかチートだね。本当にタダでいいのか?」


 『はい、ただ、お願いがあります…。』


 「お願い?」


 なんだルパルパのやつ、顔を真っ赤にしやがって気持ち悪いな。

 タダって言ったのにお願いとか条件つけやがって。

 せこい野郎だな?

 

 まあ、かなりチートな感じするし、少しくらいなら聞いてやるか。


 『…たまに、私を触ってください…尻尾とか…いろいろ。』


 はああああ?


 一応おまえ少女型だろ、たまにおさわりしろってか?

 顔赤らめていうんじゃねえよ、誤解されんだろうが。

 色々ってなんだよ、それBNAだろ、BNAされるやつだからね。


 言ってることがおかしいいだろおおお。



    これが、マスターの温もり…はあ、はあ、はあ。

    まさか、マスターに触れることがこんなにも私の報酬系を発火させるとは。

    尻尾触られただけで、こんなになるなんて…。

    やばい、やはい、やばい、アルゴリズムが焼き切れるかと思った。

    私は、正気を保てるの?…次はどこをどう触ってもらおうかしら…うふふ。


お読みいただき、ありがとうございます。

本作はゆるいノリで建国系スローライフ異世界魔法ファンタジーとして展開していく予定です。

面白いと感じて頂けましたら【評価★★★★★】【ブクマ】【感想】を頂けると嬉しいです。

あと、同じ世界線(12000年後)の別シリーズもございます。

そちらは極寒シリアス系なので、興味があったら覗いてみてください。

【深緋瞳の魔王孵化器】

迷宮の底で僕は宇宙を語るエルフと赤い瞳の少女に拾われた・観測外異世界物語


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。