第12話 先ずはお風呂が必要なのか?
ラムスは寝ていて役に立たない。
まあ、上から目線、尊大クソガキ王子のようなので、そのまま寝ててくれ。
レムスは、もはや論外。
ルパルパの中の仮想空間におり、本来ならばルパルパの別人格の巫女姫として、この世界の情報を俺に伝える、いわゆる物語の説明役のはずなんだが…。
仕える神を変え、セガ信者となり、現在サクラ大戦に夢中……終わってやがる。
ルパルパは、なんか尻尾引っぱってから顔が赤いし、はあはあ言っている。
熱でもあるのか?
一応体はフェンリルベースみたいだし、疲れたのかもしれない。
どことなく、この、はあはあ、変態とか異常者の、はあはあに感じるが?
つまり、今は、役に立たない。
そして、役に立たないやつらは、なぜか揃って堂々と役に立たない。
まあ、この程度、今の俺にはまるで問題ない。
そう、俺にはチートアイテムがあるのだ。
ルパルパの尻尾を引っぱったことで手に入れた、このピクス型ドローン。
こいつらが極めて優秀だ。
糞の役にも立たない3バカと比べると、もはや雲泥の差だ。
いや、糞にも失礼なくらいであいつは役に立たないな。
ひとまずは、あいつらのことは、ほうっておこう。
ピクス型ドローン。
先ずは、それぞれ、AIを搭載しており、俺のイメージを的確に把握し、最適な提案を複数提示してくれる。
見た目は、啄木鳥に似た鳥のような形をしているがこれがまたいい。
高速移動、脚部による物体の把持、高出力パルスレーザーによる物体の加工もできる上、俺の肩などを掴んで、飛行ユニットとしても活用可能だ。
まさにチートアイテム。
しかも、10体もいるとは、こいつらがいれば、もはや俺は無敵だ。
先ずは、拠点として家でも作るか?
見渡す限り小高い丘と湿地帯と森だらけ、あるのは、岩、石、木というところか?
あんまり複雑だと、制作に時間がかかるからな。
最初はシンプルでいいだろう。
メインの部屋、寝室、風呂、トイレ、まずは最低限これだけは欲しい。
メインの部屋には、煮炊きできる設備が欲しいな?
燃料になりそうなものは木くらいしかないから、暖炉兼用だな、煙突も欲しい。
窓も欲しい、石英はそこらへんに落ちてるだろうが、加工できるだろうか?
そう俺がイメージすると、ピクスたちは、俺の頭の中に複数の提案イメージを送ってくる。
余計な会話はない。
アホなルパルパとは大違いだ。
何回か、短い検討を重ね、俺が承認すると、ピクスたちが一斉に動き出した。
木が切り倒され、地面が整地される。
複数の溝は、汚水等の排水溝だろう。
同一規格に加工された岩が綺麗に並べられていく。
粘土を利用して簡易的な炉を作成したかと思えば、レーザーの熱を利用して、ガラスを作成している。
石材だけではなく、均一加工した木材で床、柱、扉などを作成している。
しかも、立体形成しているからだろう、釘を一本も使わず、木と木、石と石を精密に組み上げていく。
もはや、国宝級建築の域と言っていい。
寸分の狂いもない構造体が、音もなく積み上がっていく。
平屋だが、風呂場の上に、貯水タンクのような構造があり、雨水を引き込む構造と外壁にある貯水層の水を手回し式のポンプで引き上げられる構造になっている。
暖炉の煙突と連動しており、お風呂でシャワー、室内で水とお湯まで使える。
トイレは、用を足したら、水を流して、屋外の汚水層に流れていく仕組みだ。
ピクスたちが猛スピードで組み立てていく様子はもはや圧巻だった。
これだよ、これ、俺が求めていたのはこれなんだよ。
なんだろ、涙が出てくるよ。
しかも、木の実と、魚まで獲ってきてくれている。
お前ら最高だよ。
まさに、チート。
異世界スローライフありがとう。
おおお、木の繊維なのか、植物の繊維なのか?
何かを編みこんで布まで作ってくれている。
そこそこ、ふかふかなベッドまで、スタンディングオベーションですよ。
日が傾く頃には、俺の拠点が完成していた。
しかも、かなりハイクオリティー。
電気、ガス、水道はないが 手動ではあるものの、衛生的で文明的な家が手に入ってしまった。
ありがとう、ピクスたち。
宇宙船に戻って、ゆっくり充電してくれたまえ、お疲れ様。
なんてこった、今回の話では、俺、叫んでない。
こんなに嬉しいことはない。
魚を焼いて夕ご飯にしよう。
そして、風呂に入ろう。
これだよ、これ、俺が求めていたのはこれなんだよ。
ついに、俺の時代がきたぜええええ。
見たかルパルパ。
『マスターにしては、まあまあ、ですね。』
「ロム、なかなかの家ではないか、褒めてやろう。」
ルパルパ、ラムス、もう少し俺を褒め称えろ。
おいおい、俺を置いて中に入っていくんじゃない。
ん?
ドアが開かないんだが…。
『マスター、ルパルパはお風呂に入りますので、中に入らないでください。』
おい、おい、おい、ラムスはいいのかよ。
なんで、俺だけ締め出すんだよ?
『ラムス様は、穢れのない純粋な子供ですが、マスターは薄汚い汚れた大人です。
あと、ベッドが1つしかありませんので、マスターは外で寝てください。
お風呂に入るのでしばらくオフラインにしますね、ではまた明日。』
ちょっとまてこら。
せめて、夕ご飯を食べさせてくれ…。
窓から、何かが俺の足元に放り投げられた。
魚の骨?
この糞ども、ふざけるなあああああ。
お読みいただき、ありがとうございます。
本作はゆるいノリで建国系スローライフ異世界魔法ファンタジーとして展開していく予定です。
面白いと感じて頂けましたら【評価★★★★★】【ブクマ】【感想】を頂けると嬉しいです。
あと、同じ世界線(12000年後)の別シリーズもございます。
そちらは極寒シリアス系なので、興味があったら覗いてみてください。
【深緋瞳の魔王孵化器】
迷宮の底で僕は宇宙を語るエルフと赤い瞳の少女に拾われた・観測外異世界物語




