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【温泉】スキルが引き寄せレベル9999すぎたので女神になってトラブルを打破します  作者: あきかたりれお


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49話潜入&脱出クエスト!


魔王ネオからの頼み、否。脅しを叶えるため、温泉を入れることになった。


本当にここで良いのかと疑いたくなる艶のある床に高すぎる天井の広間に連れていかれた。アイテムボックスから持ち運び用の浴槽を取り出し、炭酸水素塩泉を注ぐ。


「へぇ〜そうやって和泉が出るんだ〜おもしろ〜い」


屈託のない笑顔で拍手をするネオの真意はいまいち分からない。


機嫌損ねて殺されるのは嫌だしなぁ……あ〜今頃銭湯の皆心配してるだろうな〜


「おはうございますんネオ様っ!」


クリーム色の髪を揺らしながらニーシャとアイハが現れた。


「やっぱり貴方たち二人の仕業だったんだ」


「はいですん!やっぱりネオ様をわざわざ歩かせるなんて良くないですん!泉が消えちゃうなら魔王城に連れて行ってずっと泉を出させる方が効率がいいですん」


「貴方、これからネオ様の専属。勘違いしないで。ネオ様の目的は泉。貴方の体には興味無い」


「ずっと専属って困るよ。私にもお店があるし」


「この城で経営すればいいよ〜ニーシャとアイハから天にも登るくらい気持ちがいいって聞いたよ。しかもレベルアップするんでしょ?ウチの軍隊も気にいるよ〜」


「いやぁ……そういえばダンジョンって、ネオが」


「ネオ様」


すかさず横槍を入れてきたニーシャ。視線が痛い怖い。


「ね、ネオ様がダンジョンを作ったんですか?」


「いや〜流石に僕もダンジョンは作れないかな。できたダンジョンを移動させたり主をすげ替えたりはできるよ。ただ今いる主より強いヤツ連れてこないといけないからちょっとめんどくさいんだけどね。あ、泉完成?」


「はい。完成、です」


ダンジョンをラザ国の近くに移動させてきた上に強いボスにパワーアップさせたってことか……迷惑な話だなぁ


「ニーシャ、アイハ」


「はいですん!」


「……」


ネオが両手をあげると、ニーシャとアイハが服を脱がせ湯帷子ゆかたびらに着替えさせる。


「さぁて、噂の女神の泉、楽しみだなぁ」


ネオは透き通る炭酸水素塩泉に足を浸けた。


「?……どうしたの〜?そんなじーっと見て。君も一緒に入る?」


「いや、絶対入りませんけど」


「せっかくのネオ様の誘いを無下にするとか失礼っぽい」


「脱ぎなさい」


「なんで?!いやっちょっ、入らないよ!大体ネオ、様?男でしょ?!私女だから!湯が違うから!」


「人間は面倒なことを気にしますん。ネオ様の前では性別なんて関係ない。全てネオ様が白と言えば白、黒といえば黒になりますんっ」


「つまり貴方は男……」


「いや女ですけど?!やめてぇええ!」


あれよあれよと湯帷子に着替えさせられ、ネオが漬かる湯船に入る羽目になった。


「ニーシャ、アイハ。君たちもおいでよ」


「はいですん!」


「ネオ様……」


うぅ……指先一つで国滅ぼせそうな魔族と混浴……心も体も休まらないよ〜


◇◇◇


ネオは温泉がお気に召したようだ。


「今後は朝と夜、二回泉に入るからよろしく。欲しいものがあったらなんでも言って〜あ、ただしこのお城から出たら殺すから〜しゃらんら〜」


魔王が頭上で手をヒラヒラさせると金色の粉のようなものが降り注いできた。


「ハイ。これで君がどこにいても何をしていても分かる。変な気はおこさないでね〜」


爽やかな笑顔で恐ろしいことを言う。


魔王城では縛り付けられたり監視されたりはしていない。逃げようと思えば逃げられる。逆に――


私程度拘束しなくても、いつでも捕まえられるって言いたいんだろうなぁ。起きたら拉致されてたくらいだし、完全に人間をナメてる……


与えられた自室は広いものだ。窓に手を当て、外を見れば森が続いている。"国"だと言っていたが、市民らしき人影は見受けられなかった。


「ラーちゃん、リンファ、キラ、ソラ、シャルナ……皆どうしてるかなぁ。帰りたいよ〜」


たった一日でホームシックだ。


コンコン


「お食事をお持ちしました」


カラカラと手押しの台を押して、召使いが二人入ってきた。温泉目的だろうが食事は豪勢なものだ。


「ありがとうございます」


準備を手伝おうとカトラリーに手を伸ばす。


「ナツ様」


聞き覚えのある声に顔をあげる。顔を隠していた白い布をはぐれば使用人の招待は。



「?……!……キッ」


キラと名前を呼ぼうとして手で口を塞がれた。しーと人差し指を口元に当てるキラに頷く。


「一体どうやって……」


「変装のプロフェッショナルがおるじゃろう?不戦湯に。器用な盗人がのぅ」


隣のメイド服の女性。その正体は。


「リンファ……!」


たった一日だと言うのにやけに久しぶりな気がして口元が緩む。


「さぁ、魔王城からの楽しい脱出クエスト、始まりじゃなぁ」









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