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【温泉】スキルが引き寄せレベル9999すぎたので女神になってトラブルを打破します  作者: あきかたりれお


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34話ダンジョン攻略の鍵は……飯だ!

ダンジョンとは、二百年前に突如として地面から現れた謎の建造物である。中では階層に応じてダンジョン生物や宝箱が自然発生し、階層を降りる度生物のレベルは上がり、宝箱の中身はレア物となる。


「棟は上に伸びてるのに下に向かって進むの?」


「そうだよ〜ん。入ったら分かると思うけど、次の階に行く時は下に降りていく階段が現れるから。面白いよねぇ。中に入ると伝達魔法も飛ばせないから、外からはどこにいるのか分かんないんだってぇ」


「へぇ……不思議だね」


「あ、あの……今更ッスけど、なんでアタイまでダンジョンに?アタイがもってるのって逃げ足だけっスよ?」


「なーに言ってるの?シャルナには重要な役割があります。それは、食事係!体力のつく食事、シャルナなら作れるかなってさ!」


「……あ、安直すぎるッス」


シャルナは目を丸くしたあと、照れくさそうに笑った。


そしていざ、ダンジョンの中へ。高ランクの冒険者パーティが敗走したことや、騎士ドラゴの脅しから身構えていたのだが――


「本当に私達出る幕ないのでは……?」


魔物の魔の字も見えないほど前衛たちに蹴散らされているらしい。私から見えるのは人混みと、バシュッ、ドシュッ、ギャアアアッとか、魔物の断末魔ばかり。


「まだ中層階だからね〜キツくなってくるのは最深部の数階だと思うよ〜ふぁあ〜」


「おぃソラ。いつでも対応できるよう準備は怠るな」


「今日は回ってこないでしょ〜多分あと三階くらい降りたら休息じゃない?」


ソラの予想は的中。三階降りたところで、セーフティエリアと呼ばれる魔物が発生しない広場にて、野営することになった。


「食事を配布する」


キラが私達全員分のを取ってきてくれたのだが――


「え……何これ……」


「ゴブリンの干し肉と火魔法で塩茹でした丸ごと野菜スープだねっ」


ソラがニコニコしたままゴブリンの干し肉を食いちぎる。野営で食べられるものがあるだけマシというものか。


ラーウェルと顔を見合せ、器に盛られたよく分からない茹で葉野菜を掬い上げる。


「い……いただきまーす」


もちゃ……もちゃ……


食べられたものではない――


現代人が無人島で遭難した時に舌が肥えすぎてるせいで餓死するって聞いたことあるけど……マジだ!私のダンジョンでの死因、餓死かもしれない!


「うーん……食えなくはねぇが味気ねぇなぁ……」


「全員に配当があるだけマシだろう」


「木の根よりはマシっスねぇ」


しかも餓死するの私だけでは?!そんなの嫌だ――!


「シャルナァ……こ、これでもっといい感じの料理作って……」


「えっ……流石に調味料が無いと無理っスよ」


「ふふ、調味料って、言いましたかな?」


ウエストポーチからいくつかの小瓶を取り出す。

ダンジョンに向かう直前、「これを持っていけ。お主、わらわに命を救われることになるぞ」とリンファに渡された調味料グッズだ。


リンファナイス!!女神!!!


醤油、みりん、砂糖、塩、胡椒。この五つは異世界にも存在して助かった。


「これだけあれば……いいッスよ!美味い飯、作ってやるッス!」


コトコト、数分で鍋からは食欲を唆る香りが立ち上り始める。


これは、あれだ!


「すき焼き風煮込み……!」


「すきやきふう?美味しそうな名前ッスね。野菜も肉も全部ぶち込んで煮込んだだけなんスけど。ほらナツ。器を寄越すッス」


「ハイ!えへへ〜シャルナも何だかんだ包丁とかニンニクとか、ちょっとした調理器具持ってきてたんだ」


「ま、まぁな。これでも料理人ッスから」


「いただきまーす!はふ……はふっ」


――!ゴリゴリだった野菜が口の中で崩れていく!人参も甘いし、肉も柔らかくて……あれ?ゴブリン肉だっけ?まぁどうでもいいか!……美味すぎる――!


あまりの美味しさに頬を抑えてうっとり。それを見ていたラーウェル達の喉がゴクリと物干しげに鳴ったのは言うまでもなく。


「俺も!俺もくれ!」


「ハイッス!」


「ふん……俺は貴様の作った飯など食わんぞ。何が入っているか――」


「僕にも頂戴!」


「ソラ貴様ァ!」


「おいひ〜〜……キラも食べてみなよ〜ほら、あーん」


「い、いらん!」


「キラ、大丈夫。毒とかないよぉ〜寧ろ美味しすぎて溶けちゃうって〜」


「おめーも見てただろ?毒とか突っ込んでたとして、キラやソラが見逃すかってんだぁ?うめ〜」


キラはうぐぐ、と眉間に皺を刻んだ後、真っ赤になりながら器を差し出すのであった。


そして観念したように一口。途端、キラの頬が美味しさに緩む。


「あぁ美味い!!何だこの、蕩けるような舌触り!本当にゴブリン肉なのか?!」


「おぃソラうるさいぞ。勝手に俺の気持ちを捏造するな」


「ね、シャルナの料理、美味しいでしょ?」


「っ…………まぁ、悪くは無いですね」


「素直じゃねぇんだから」


温かく美味しいものを食べて体も心もポカポカな銭湯メンバー。だが勿論、この男が黙っていないわけで――


「おぃ貴様ら……僕の部隊で、何を勝手なことをしている?」





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