ラモンは決断する。
「——く、ふふふふふふふふ、やった!よかった!やっと見つけた——やっぱり私、正しかった。これでもう誰にも何も……あー、よかったあ、私、ちゃんとできた……。」
興奮したように呟く彼女の独り言は要領を得なかったが、利己的な含意だけは伝わって思わず息がとまる。
笑い声を伝って、その不気味なまでの高揚感がラモンに伝播する。たまらなくなって、叫んだ。
「あのさあ!」
急な大声に驚いたように彼女はこちらを向く。その丸い眼を見つめながら、言う。
「俺、この一件が片付いたら別のところ、行くから。ルシアとは、ここで別れる。」
言った。言ってしまった。
ルシアの看病ができなくなった時、イルゼに言われた言葉がずっと引っかかっていた。
ルシアが城を追放された時は彼女の隣にしか自分の居場所を感じなかった。そこが自身のいるべき場所なのだと信じて疑わなかった。
けれど、旅する中で動き回る彼女を見て、思った。ラモンが隣にいるから、彼女はいつも後先を考えずに行動するのではないか。
今だって、ラモンが隣にいなければルシアは他人の家を捜索するなんて大胆な行動に出たか知れない。
それに、外の世界が見たかった。
ルシアが追放を宣言された時、会場を飛び出して無我夢中に走っていた理由が、今ならわかる。
ラモンもここまでの道のりで見知った世界を飛び出してみたくなっていた。
だから、彼女とはここで別れる。そう、前から決めていた。
「……は、何それどういうこと。」
声を受けたルシアは先ほどまでの勢いを失っていた。
「だから、俺はプロレタウノには行かないんだよ。イルゼさんとあの医者を王様のとこに連れて行って、そこでルシアとは別れる。」
目を見開いて固まる彼女を、それでも見つめ続ける。
「……そっか。」
少しして、目を伏せた彼女が言った。




