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第6話 ルーメリア国王

リリアに連れられて、お城の門を通る。


リリアに向かって敬礼をする門番。


「君って、そんなに偉い人だったのかい?」


顔パスで門を通るリリアを見て悠斗が言った。


「いえいえ。私自身は身分は高くないです。でも、幼い頃から王女様の遊び相手を仰せつかっていたので、それでちょっとお城に入りやすいだけですよ」


(そうなんだ。なんかこの間配信でやってた懐かしのアニメのハイジとクララみたいな関係なのか? じゃあ俺はペーターか?)


心の中でふとそんな事を思う悠斗。その口元が無意識にニヤツいている。


宮殿の入口の前まで来た。両側には鎧を着た門番が二人立っている。


「王様にお伝えしたいことがあって参りました。こちら、『時給581円の勇者』様です!」


リリアが悠斗を紹介すると……


「おおっっ! このお方が『時給581円の勇者様』ですか!? なるほど、確かに額にそのような事が書いて……」


「わああああああああっ! 言っちゃダメです! 額の紋章の事は、勇者様は絶対に知ってはいけないんですっ! 知ったら死んじゃうんですっ!!」


「はっ! そ、それは失礼いたしました!」


門番達がリリアに向かって敬礼をする。他の兵士に連れられ、悠斗とリリアは王様のもとへと案内された。


大きな扉の前で少し待たされたあと、再び門番が現れる。扉がゆっくり開くと、赤い絨毯が真っ直ぐに延びている先に、玉座に座る王様の姿があった。王冠をかぶり、いかにも王様という感じの王様だ。王様の座っている、横の玉座は空いている。


王様の姿を見て緊張する悠斗だったが、そんな悠斗にリリアがそっと耳打ちをする。


「我がルーメリア国の王様は少し変わったお方ですがお気になさらず。気さくな方ですし、根はとても良いお方なんです」


リリアに連れられて王様のもとへとすすむ悠斗。この国がルーメリアと言う名前である事を知る。そしてやはり国王の前で緊張してしまうようだ。右手右足が同時に出ている。


その姿を見て、王様が突然立ち上がる。待ち望んだ勇者が現れたのだから、気持ちが昂ぶるのも当然だ。王様は真っ直ぐ悠斗を見つめている。そして…


「おお勇者よ! 死んでしまうとは何事だ! お前にもう一度だけチャンスをやろう…」


「……」←悠斗


「……」←リリア


「……」←王様


「……」←門番


微妙な空気があたりに漂う。


(す、スベッた…勇者どのの緊張を解くつもりだったのじゃが…ワシとした事が

…)


流石に誰もツッコめない。


国王の背中にはイヤな汗が流れている。


誰も何も言えないでいると、突然、空いている方の玉座の横にある扉が勢いよく開いた。そこから、きらびやかなドレスを着た若い女の子が姿を見せる。この身なりや立ち居振る舞い、きっとこの国の王女に違いない。リリアがニッコリ微笑んでいるからそうに違いない。


「く、クララっ!」


その女の子を見て、リリアが言った。


(クララ? マジでクララだったの? し、しかも、この2人…なんか似てない?)


聞き覚えのある名前に、苦笑いを浮かべる悠斗であった。


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