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第11話 決着



激しく振り回された尻尾の攻撃をまともに食らう悠斗。バラバラと防具の一部や破片が宙を舞う。


「勇者様っ!」


倒れる悠斗を見てリリアが叫ぶ。防具のおかげで身体は大丈夫だったが、攻撃を食らった部分が壊れてしまった。次に同じ場所に攻撃を食らえば、かなりやばい。


悠斗のことが心配になり、彼に駆け寄るリリア。だが、大きく羽ばたき飛び立ったドラゴンが、こちらに向かって突っ込んでくる。


「こっちに来ちゃダメだ!」


慌てて起き上がり、リリアを抱えながら逃げようとする悠斗だったが、思った以上に身体が動かない。


「ああああダメだぁあああああ!」


何とかリリアだけでも、と、彼女に覆い被さり守ろうとする。覚悟を決めて身を固めていたが……。


「……あれ?」


ドラゴンが襲って来ない。


リリアを守りながらゆっくりと振り返ると、ドラゴンが地面に落ちている何かを食べている。


「あ…あれって…」


壊れた防具の隙間から散らばった「じゃ○りこ」を食べている。


おやつとして悠斗が持っていた「じゃ○りこ」だ。そう、スティック状のポテトスナックだ。面接が終わって安心してから食べようと思っていたが、いきなり採用され、そしていきなり異世界に派遣されたので、食べる暇がなかった。


「ポリポリポリポリ…」


小気味よい音を立てながら、ドラゴンがじゃ○りこを食べている。そして全部なくなると、ドラゴンが悠斗の方を見た。


壊れた防具の隙間から中を探ると、まだ少し残っている。悠斗はそれを一本、手に取ると、ドラゴンの口元に差し出した。


「ポリポリポリポリ…」


ドラゴンが器用にじゃ○りこを食べている。何だかいける気がする。悠斗は残っているじゃ○りこを一本ずつドラゴンに食べさせた。


なんと、ドラゴンは悠斗になついてしまった!


「勇者様すごいです! 倒すのではなく、仲間にしてしまうなんて…なんてお優しいお方なんでしょう! まさしくあなた様は伝説の勇者様です♪」


ドラゴンを手懐けた悠斗にクララが駆け寄る。


「えっと…たまたま、じゃ○りこを持ってただけなんだけど…」


「謙遜なさるところが素敵です♪」


リリアも目をきらきらさせながら悠斗に抱きついた。クララもそれに倣う。


「そうだわ! 早くお父様に報告しないと! さぁ勇者様、参りましょう!」


二人に連れられ、王宮へと戻る悠斗。街の人々は彼の働きを賞賛し、街中が盛り上がっていた。


「おお勇者殿! やはりそなたはこの世界を救う伝説の勇者であったか!」


国王が悠斗を迎え入れる。


「そうですわ! やっぱり悠斗様は伝説の勇者様ですわ!」


悠斗の左腕に抱きつきながら嬉しそうにクララが言った。


「勇者様…いいえ、これからは悠斗様とお呼びしてもよろしいですか? 私たちのために頑張って下さった悠斗様に、お礼をしないと」


「お、お礼?」


「はいっ、あの時約束したじゃないですか。頑張ったらほっぺにチュウしてあげますって♪」


必死だったので、そんな約束をした事もすっかり忘れていた悠斗。


「そうですわ。私ともそんな約束をしましたわ。約束を守ってくれた悠斗様に……」


そう言ったあと、クララの唇が悠斗の頬に近づく。


「私も…」


反対側からリリアの唇が悠斗の頬に近づく。


照れながら顔を赤くする悠斗。二人の唇が触れようとした瞬間……。


「チュ…」


リリアとクララ、二人の唇が触れ合う。


悠斗の姿は、忽然と消えてしまったのだった…。



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