表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

8話

スーパーの中は、大学生たちのテンションでやたら騒がしかった。



「白菜高っ!」


莉緒が値札を見て声を上げる。



花音も思わず頷く。


「半分でこの値段なんだ」



「もやしの方がコスパ最強じゃない?」


近くでカゴを持っていた男子が言う。



するとすぐ新が返す。


「でも鍋にもやし入れすぎると水出る」



「急に詳しい」


「一人暮らしなめんな」



「白菜も結構水出るよね」


花音がカゴを持ちながら言う。



新がすぐ頷く。


「出る」



「え、じゃあ何入れればいいの」


莉緒が困った顔をする。



「豆腐」


「豆腐も水出る」



「じゃあきのこ」


「きのこは裏切らない」



その横で、新が鍋つゆコーナーを見ている。



「あ、キムチ鍋これでよくない?」



「桃屋?」


花音がパッケージを見る。



「辛いやつ?」


「結構辛い」



「やだ」


花音が即答する。



「ハギー辛いの弱い?」


「弱くはないけど、痛い辛さ嫌」



「わかる」


新が笑う。


「じゃあエバラにする?」



「エバラ好き」


莉緒も頷く。



「急に多数決始まった」



そのまま結局、

エバラのキムチ鍋の素がカゴに入る。



どうでもいい会話なのに、

なぜかずっと楽しい。


その横で別の男子が肉コーナーを指差す。


「鍋と言えば肉でしょ!」



「わかる」


新も普通に頷く。



「豚バラいる」


「鶏もよくない?」


「両方買えばいいじゃん」



花音はカゴを持ちながら、そのやり取りを聞いて少し笑う。



すると新が突然、


「あ、ウインナー入れたい」


と言い出した。



「え?」


莉緒が笑う。


「子供?」



「キムチ鍋のウインナーうまいんだって」


「絶対オギー好きな味じゃん」



さらに別の女子が、


「チーズも入れたくない?」


と言い出す。



「え、チーズ?」



「キムチとチーズ合うよ。発酵食品!」



「あー、それうまそう」


新がすぐ反応する。



「じゃあチーズ買お」



「オギー絶対そういうの好きだよね」



「好き」



「即答」



結局、ウインナーもチーズもカゴに入る。



買い物を終えてレジに向かう途中、


「鍋のあとアイス食べたくない?」


と誰かが言った。



「分かる!」


「暑い部屋で食べるアイスうまいやつ」



新が冷凍コーナーを見ながら言う。


「じゃあ買っとく?」



「何味?」


「スーパーカップがいい」


「イヤ、コスパ考えたら箱アイスでしょ」



花音はみんなのやり取りを聞きながら思う。


(なんか普通に楽しいな)



まだ恋なんて、

全然意識していない頃だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ