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14話
「付き合ってくれないかな?」
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一瞬、夜の音だけが大きくなる。
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花音は固まって、
「え?」
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間を置いて、
「え?え?え?」
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新は少しだけ困ったように笑って、
「そんなに驚く?」
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ここで花音は慌てて言葉を探す。
「いや、だって…」
言葉を探すみたいに間をあけてから、
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「ごめん」
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小さく首を振る。
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「オギーのこと、そんなふうに考えたことなかったから、信じられなくて…」
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一瞬、夜の音が戻る。
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新はすぐに何かを言わずに、少しだけ黙る。
でも空気は重くしないまま、軽く息を吐いて、
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「そっか」
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少し間を置いて、
「まあ、信じてよ」
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軽く笑って言った。
責めてもいないし、焦ってもいない。
ただ受け取った感じ。
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花音は続けられなくて、
でもその場から逃げるわけでもなく、
ただ少しだけ立ち尽くしている。
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花火の残り香みたいな静けさの中で、
二人の間だけ時間がゆっくりになる。
花音の言葉のあと、少しだけ静かになる。
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新はすぐには答えず
軽く息を吐いてから、少しだけ笑う。
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それから、花音を見る。
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「じゃあさ」
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少しだけ冗談っぽさを戻して、
「これからはそんなふうに考えてみて」
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花音はまだ整理できないまま、小さくうなずく。
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新は最後に、いつもの感じで手を軽く上げる。
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「また連絡するね」
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少し間。
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「またね」
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「バイバイ」




