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盆過ぎて 須弥山登る 遺影かな

 告別会場に故人の仲間たちがやってきた。主催者の挨拶が終わると、祭壇の前に写真をトロッコに乗せる。トロッコは祭壇の脇にある三角形の山裾のトンネルへと消えた。しばらくすると、読経が流れ山の裏から写真の入った額が朝日のごとくにせりあがってきた。写真は山の上に掛けられた曼荼羅の前まで行くと止まった。


 依頼者たちは喜んでいた。数日後、竹下氏からまた電話があった。告別式の様子をだれかがネットにアップしたらしく、問い合わせが来ているという。なので、本格的に手伝って欲しいといってきた。ただ。問題は個人で受けるには限界があるし、知名度が足らない。営業もとなるとさらに時もが足りない。

「あの葬儀会社とタイアップできないのか?」

 僕としては彼女に会うのは気まずかったが、竹下氏の仲介で宣伝と受付はウミさんのいる会社が引き受けてくれることになった。僕はとりあえず家賃が安くて移動に便利な目黒に住むことにした。


 僕らで用意できない設備は、昔の仲間が調達してくれる。僕らの事業は予約が一杯だった。これなら、彼女と一緒に暮らすことも出来るが、もう僕たちの関係は終わったんだ。今更どうにもならない。

 実家で引越しの準備をしていると、

「引越し先、彼女にも伝えたの?礼儀ですよ。」

 と、母に促され、しぶしぶウミさんへメッセージを送った。

「元気ですか。こちらは仕事が順調です。今度、目黒に住むことにしました。」


 これに対して彼女からは、

「おめでとう。私、今度お見合いをすることになりました。」

 というなんとも穏やかではないメッセージが返ってきた。個人的には止めたい。でも、彼氏でもないのにそうもいかない。

「幸せを願っています。」

 そう返すのが精一杯だった。


「したほうがいい?」

「誰か他に、そばにいてほしい人がいれば、しなくていいと思います。」

 暴走する妄想を抑えるのに必死で、当たり障りのない返事しかでてこない。

「してほしい?」

 どういう意味だ?頭が働かない。

「迷うなら、やめたほうがいいです。」

「迷わなければ、したほうがいいんですか?」

 僕は困った。

「会って決めても遅くないんじゃないでしょうか。」

「そうですか。では、お見合いしますね。」

 その時、二人のLINEに割り込んできたやつがいた。


「お兄、本当にいいの?」

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