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底冷えや 二人で食べる 飯の湯気

 本来なら冬の部屋は寒い。しかし、狭い一部屋に二人暮らしをしていると、結構暖かいもんだ。

 彼女のベッドと僕の寝袋の間にコタツを置いて、夕食を食べる。

「かまくら思い出しますね。」


 あの時はひどい目にあった。ホテルでトイレの配管がつまって部屋を移動したんだった。ツインの部屋しかないということで一緒の部屋に泊まることになったんだっけ。それから気まずくなってしばらく連絡しなくなったんだ。

 セミダブルのベッドが2つ並べてあったんだけど、彼女の寝相が悪くて、僕のおなかに何度も蹴りが入った。自分のベッドだとほとんど動かないのに、慣れないベッドだとやたら動く。思い出したくなかった記憶だ。

 あのころは、恥じらいがあったけど、数ヶ月も一緒に暮らすと、互いに気を使わなくなる。風呂から下着で出てくるし、いきなりトイレのドアを開けて気まずい思いをすることもしょっちゅうだ。なんだか、夏美を見ているような気がするときがある。


「一緒に暮らしてどう?感想聞かせて。」

 きっと、自分の都合で僕に迷惑をかけてると思ってるんだ。いじらしい。

「楽しいよ。」

「他には?」

「良かったと思ってる。」

「そうじゃなくて、私のことどう思ってるか。変な女と思ってる?」

「わからない。他に知らないから。」

「夏美ちゃんは?」

「子供だし。しいて言えば家族かな。」

「私は?」

「思ったより、無頓着なところがあるなって。」

 さすがに、がさつとは言えない。

「仕事で遺族の方に気を使うから、家では自由にしていたいの。」

「あ、いいです。それ大事です。」

「いいんですか。下着でうろつくし、おならもしますよ。幻滅したでしょ。」

 彼女が気付いていたかは判らないが、僕は人前ではおならができない。子供のころ学校でトイレをずっと我慢していたからだろう。必ずトイレでする。

「自然なことなので。」

 そうは言ったものの、ちっぱいにブラ姿でうろつかれるのはエロい。未だに目のやり場に困る。最近はブラのホックを留めてと言って来ることもある。きっと罪悪感はないんだろう。


「僕のことはどう思います。」

「人畜無害。」

 夏美と同じことを言う。

「わかりませんよ。」

 そうささやいたが、それには答えず笑って食事を続けていた。

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