どれが旬 真冬のフルーツ大福
「どうしてウミさんが。」
「あたしが呼んだの。」
夏美がしゃしゃり出てくる。
「店長からお土産を渡してくれって頼まれたんです。」
店長の実家がお年賀をスタッフに買ってきたが、僕の住所を知らない店長は、休んでいる彼女の家に僕の分も送ったらしい。
「生もので日持ちがしないから直接届けてって。」
店長なりに気を利かせたつもりだろう。ところが僕は仮設を引き払って実家に戻ってしまった。そこで、わざわざ届けに来たというのだ。
「でも、なんでこいつの家に?」
「スマホ置いて行ったでしょ。」
確かに、近場の店だからと置いて行った。
「夏美ちゃん家に行くって出たと伺ったのでこちらに来たんです。」
なるほど。そりゃあ申し訳ないことをした。
「で、なんで、鬼?」
「そりゃ、こっちが聞きたいですよ。」
ウミさん、少々怒っている。いつになく口調がきつい。
「夏美は母子家庭だから、よく鬼役で来てたんですよ。」
彼女のほうはせっかくの節分だから豆まきをしようという話になったらしい。
「金沢土産のフルーツ大福。」
あの店長の実家は金沢か。イチゴにキウイ、りんごなど色な果物が入っているらしい。せっかくだから、旬の果物を食べたい。しかし、2月って真冬だよ。きっとほとんどハウスものじゃないかな。
「あたし、みかん!」
しまった、迷ってるうちに夏美に取られた。




