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底冷えの被災地 靴のミス 悔いる

 濡れた泥道を進むにつれ足先がかじかんできた。当初は車で逃げようと思い、スニーカーを履いて出た。が、泥水に埋もれた道では、泥をまとい水を吸ってすぐに重くなる。靴下も濡れ、歩きにくい。

「長靴にすべきだった。」

 雪国の冬ではあたりまえの長靴だが、さすがに車に乗るときには履くきかえる。急いで車から逃げたので、僕の長靴も車の中に放置されたままだ。


 コンビニや食料品店は朝から店の片付けをしているが、さすがに靴屋は開いてない。コンビニの定員が泥をかぶった袋にはいった菓子パンをくれた。

「売り物にならないからね。廃棄するにしてもいつ収集にくるかわからない。もっていってくれるほうがありがたい。」


 滑らないようにと、時折見つけた水溜りで靴底の泥を落とす。工場が無事か気になるが、携帯も使えないとなると、職場にも連絡ができない。せめてデータのバックアップが残っていていてくれることを祈るしかない。


 鉄道もバスもタクシーも通らない。車は勿論、自転車すらも走ってない。昭和の映画で見た風景さながらだ。

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