表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/97

御遺体は 知らぬが仏 物扱い

 正月は帰省できなかった。というのも、僕のプレゼンが葬儀会社の本社で採用になり、男性社員の不足に困っている各支店への導入という大掛かりなプロジェクトになったからだ。内装も大きく変えることなく、業務用の安価なクレーンの追加というのは画期的な発想だった。どうしても葬儀会社は遺族の手前、遺体を人と同等に扱ってしまう。しかし、異業種の僕らにとってはただの物なのである。遺族に伝えるものでもない。知らぬが仏である。会社も新規業種の開拓ということで利益度外視で協力してくれることになった。しばらくは横浜暮らしだ。部屋の荷物は実家に送り、仮設から出ることにした。


「すべては仏の導きです。仏は知恵を授けてくれます。その知恵はあなた素直さ直向きさが徳となって活かされるのです。」

 住職の言う事は理解できなかったが、己の日頃の行いが周囲を動かすということなのだろう。

「己の過去を捨てるのは簡単ですが、それは己のこれまでの人生を否定することです。新たな環境に身を投じることになっても、過去の延長線にあることを忘れなければ、きっと活路を見出すことができるでしょう。」


 僕は住職に別れを告げ、実家に向かった。2月2日。明日は節分だ。まもなく横手のかまくら祭りが始まる。こっちから行けば近いが、横浜からずっと二人で行動するのも悪くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ