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名探偵似 冬現場の聞き込み 

 僕は仮設に戻ると、さっそく知り合いにメールをしまくった。部材調達で利益を追求している会社まかせにするのは危険だ。僕に今あるのは、建築の現場で見てきた設備の知識と、そこで知り合った人脈だ。男手ならも何も僕でなくていい。もし僕が転職しても、万一のことがあれば、また同じ、いやもっと悪い状況になる。根本的な解決が必要だ。


 翌日、彼女の勤務先の配置図を手に入れた。それを知り合いの設計士に送る。仕事先の現場を回り、棟梁や電気屋たちと話もした。見積もりは、社内で一番信頼できる先輩に協力を仰いだ。

「タケちゃんの頼みじゃしゃあねえな。」

 今まで特別なこともしてないのに、親父ぐらいの歳の人たちが、皆、無償で快く力を貸してくれる。


 三日目。会社は年末で休みに入った。僕は分厚い資料を抱え、一人、横浜の郊外にある葬儀場の前にいた。僕の推理は完璧だ。今なら、どんな難事件でも解決できそうだ。

「よし、勝負だ!」

 自分に言い聞かせるように中へと入った。


「お約束した、木津口ですが。」

 店長と思しき男性に空き部屋へと通された。

「えーと、バイトの面接でしょうか?」

 店長にはまだ具体的な内容は伝えていない。

「いえ、これを見ていただきたくて。」

 僕は、図面といつくつかの資料をテーブルに並べた。


「男手が欲しいということですが、理由は何でしょう。」

「この業界は、時間も不規則ですし、力仕事もあります。女性スタッフだけでは難しい。」

 店長は営業で鍛えた笑顔は絶やさなかったものの、見下すように目で僕を見た。

「具体的にお願いします。」

 はやる感情を抑える。

「まずは、お棺の移動です。二階の斎場への移動の際にエレベータを使いますが、奥行きが狭く立てて移動しなければならい。そのため、台車が使えません。降りる場合はもっと大変で、中のご遺体が動いてしてしまわないよう、スタッフが階段で降ろします。花や椅子など都度移動する。しかも、エレベータが故障した場合は、車椅子の参列も階段で持ち上げなければならない。他にも、ご遺族が男性の場合、女性スタッフ一人を行かせるのは危険があります。」

 僕は、店長の言う問題点を書き出した。

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