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冬天突く 防波 現代のバベル

 防波堤工事が進むに伴い、街の復旧工事も進み始めた。5メートルの防波堤ができるらしい。街からは海は見えなくなった。宅地は高台に移転したので、自宅からは海が見えた。


「また、いつか想定外が起こるんだろうな。」

 人は自然に挑み続け、破れる。その度に人々はバラバラに散っていく。この国の人間は本当にバベルの塔が造れると思っているのだろうか。想定外で泣かれされるのは地方の庶民だ。この馬鹿げた堤防だって命を守るためではなく、経済を守るだめのものだ。経済活性のための箱物づくり。中央の連中はいつだって命より経済が大事なんだ。自然に敵対する限り、災害を防ぐことはできない。小さな災害を防ぐため、大きな災害を招く。国がやることは小さな災害は許容し、大きな災害を防ぐことなんじゃないだろうか。


 財産は失うかもしれないが、命は守る。この国はいつから命より経済が大切になったのだろう。


 12月23日。彼女からの返事は来ない。

「そりゃ、不信がられるよな。」

 今年も、一人のクリスマスイブを過ごすことになりそうだ。



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