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都会女子 視線に困る 夏おしゃれ

「で、そのお姉さんは?」

「鎌倉駅で待ち合わせ。見に行く大学の卒業生だから案内してくれるって。」

 いとこの夏美は新幹線の二階の窓から外を見ている。朝霧が山から流れ落ち徐々に街を飲み込んでいく。空はどこまでも青く、地上はやがて白一色で覆われる。幻想的な風景が旅情をかきたてる。が、夜行バスで戻ってきた僕はすぐに寝てしまった。鎌倉なら直行の電車もあるが、ここでケチると後々まで何を言いふらされるかわからない。それに、バスの中ではガイドブックを覚えるのに必死だったので、今は少しでも寝ておきたい。


 そろそろかと目を覚ました。列車は駅に止まっている。上野ならホームは地下だし、東京っぽくもない。誰も降りようとはしない。それでころか、車内が混んでいる。

「大宮?」

 どうやら、霧の影響で遅れているようだ。余裕を持って出てきたものの、約束の時間まで着けるか微妙だ。在来線が止まってるので、新幹線で振り替え輸送しているようだ。


「最初の印象が肝心なのに。」

 夏美がぶつぶつ言う。

「学校に連絡しておけば?」

「お兄は黙ってて。」

 かなりテンパっている。オープンキャンパスの予定は午後なんだ。いくらなんでもそこまで遅れないだろう。


 30分遅れで東京についた僕らは急いで、鎌倉に向かった。東京駅は出張で何度も使っているの乗り換えは慣れている。予定より15分遅れで、鎌倉駅に着いた。

「おはようございます。」

 夏美は一人の女性に近づいていった。ロングの黒髪に紫陽花を思わせるゆったりとした薄手の水色のワンピース。スタイルのいい、見るからにお嬢様風の清楚な女性が紙袋を持って改札前に立っていた。


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