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仮暮らし 「隣ガチャ」スカ 五月病

 戸建ての借家暮らしから長屋の仮設暮らしになって困ったことは、隣の音がよく聞こえることだ。隣といても、向かいもあれば裏もある。四方八方の物音が昼夜を問わず響いてくるのだ。


「トントントン」

 向かいの婆さんは朝早くから太鼓をたたく。右隣の爺さんは入れ歯をなくしたとかで何をいっているのかよくわからない。裏の奥さんはゴミの出し方がどうだとか、風で何かが飛んできたとか、何かと苦情を言ってくる。左隣の若者は夜勤なのか、昼間寝ているので携帯の着信音すらもうるさいと壁をたたく。


 そんな状況だから、日中は外に出て、うろうろして気晴らしでもしていないとやってられない。

「うつ症状ですね。適応障害で診断書出しておきます。」

 病欠になるので、しばらくは休んでいても給与は出るようになったが、あまりうれしくない。


 被災当初は仕事のことが気になっていても立ってもいられなかったが、休みが長引くにつれ、どうでもよくなってきた。上司は心配してなのか、仕事だからなのか時々連絡してくる。怖くて聞けないが、本当のところは辞めてもらいたんじゃないだろうか。こちらからから言い出せば退職金も抑えられるし、仕事の斡旋もしなくて済む。メールが入るたびに疑心暗鬼になる。転職するなら、決めてからでないと家も借りられない。借りるならやはり一戸建てのほうがいいと、仮設に住んでみて改めて感じた。

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