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柳消え 瓦礫の土手に 咲きし蝶
住民が住宅に入ると、道端に累々と積み上げられた瓦礫も撤去され始めた。人のいないゴーストタウンでも、春になればいつもと変わらずに蝶が舞う。忘れられた畑の伸びきった菜の花がたくましい。
我が家から出た思い出の品々もすでに処分されていることだろう。パソコンは被災者の支援金を使って買い換えた。大半のデータは復元できたが、買い直さなければならないソフト代がばかにならない。ダウンロード版は同じパソコンでないから保証が無い。パッケージ版にしても媒体が流されたら同じことだ。
噂では専門家に頼めば買いなおさなくてもいけるらしいが、今後パソコンのメーカー保障が使えなくなるので痛し痒しだそうだ。
仕事に行かないで外をぶらぶらしていると、やたら写真が撮りたくなる。写真のコメントにしばらく悩んだあげく、俳句を添えてみようと思った。素人なのだが、それなりに気持ちが伝えやすい。ネットにアップすれば、近況報告にもなるだろう。息苦しい仮設生活にも楽しみができた。




