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泥混じりの思い出 ゴミと呼ぶ春

 水に濡れて放置した家具はほとんど使い物にならない。古い写真やCDも泥にまみれて、もはや処分するしかない。一つ一つ手にとって眺めるうちに、当時のことを思い出す。卒業して就職したての右も左も解らなかったあの頃。


 事務の女子社員の制服姿にドキドキしていたっけ。先輩や上司と花見もしたな。新人は寒い中で場所取りしたもんだ。当時の連中は不景気で今ではほとんど残っていない。当時は誰もこんな災害がやってくるなんて微塵も考えていなかった。苦労もあったが、毎日が楽しく過ぎていった。


 断捨離の極意は、物から心に想いを移すことだという。思い出は物ではなく経験だ。僕は一つ一つ思いを断ち切るようにそれらをゴミ袋に詰めていった。


 そして、わずかに残った物を持って、避難所から真新しい仮設住宅へと引っ越した。

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