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秋ならば 実もつけように 冬銀杏

 無事だった予備の長靴にはきかえ、隠してあった現金を探す。

「2万円か。」

 もっとおろしておくんだったと後悔しながら、急いでポケットに押し込む。雪かきのためのスコップも車のなかだ。


 片付けようにも、床に散乱しているものは泥混じりですぐには動かせない。台所の蛇口をひねるが水はでない。

「電気と水道が復旧するまでは、避難所で暮らしたほうがよさそうだ。」

 昔のものはほとんど実家に置いてきている。水に浸かったパソコンの中身が心配だが電気屋もまだやってないだろう。


 小一時間片付けたて、僕は表へ出た。心配していたほどの被害はない。僕はあのお地蔵様の埋もれていた場所に戻った。しかし、すでに泥に埋もれてしまったようで見つけることはできなかった。

「幸運の女神は一度だけ振り返る。」

 僕が失敗してへこんでいた時、職場の先輩がかけてくれた言葉だ。あれは瓦礫のうめき声に何もできなかった自分にお地蔵様がもう一度だけチャンスをくれたのかもしれない。


 祠の場所に一本だけ残ったイチョウの木を見上げた。

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