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オリオンに ナマズ退治願う 闇夜
一日中、余震が続く。気が張り詰めているのか、わずかな揺れでも、周囲を見回してしまう。夜になり、わずかな乾パンと固形食に、毛布が一枚配られた。巨大な体育館の中は足元から冷える。せめて暖かい食事が欲しいが職員もそこまで手が回らないのだろう。部屋の中では、ダンボールを敷くものや、スリッパの上に腰を降ろすものなど、皆それぞれに工夫して過ごしている。
暖房費を節約するため、僕は普段から毛布を体に巻きつけて寝る。配給された毛布は小さいので、こちらを敷き持って来た毛布に包まった。
保温のためカーテンは閉まっているが、明かりの点かない真っ暗な部屋では、わずかな隙間から透き通るような星空が見えた。きっと今頃はサソリと戦うオリオン座がよく見えていることだろう。古代の英雄に地中のナマズを退治してもらえらたなら、きっと熟睡できるんだろう。
「靴が乾いたら明日は自宅に戻ってみよう。」
冷たく硬い床の上で、そんなことを考えながら、いっこうにやってこない夜明けを待った。




