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 ベッドの傍らに置いたスマホが耳障りな音を発しながら小刻みに震え出した。

 城南 海斗は先ほど挿入したばかりのペニスを抜き、スマホを確認した。目の前では2時間前にあったばかりの全裸女性が仰向けで海斗を怪訝そうに見上げている。

 スマホには「緊急案件あり。集合。」とだけメッセージが残されていた。

 昨夜、フィリピンで要人救出の任務を終え、帰国したばかりだというのに人使いが荒い職場であるとつくづく感じつつ、スマホの画面を閉じた。

 目の前にいた全裸女性は挿入を待ちきれないないのか海斗の股間を弄っている。時折それを口に含みながら上目遣いで海斗を見つめている。

 海斗は両手で女性の頭部を鷲掴みにし、おもむろにペニスを女性の口内の喉奥までねじ込んだ。

 女性は海斗の身体を引き離そうとしたが、頭を鷲掴みにされているため、逃れれない。

 海斗はその様子を見おろしながら、激しくペニスで女性の喉奥を今にも射精しそうな勢いで何度も突いた。

「ん~~!んんー!」

 女性は苦しそうにもがいたが、それでも海斗は止めない。むしろその動作は速く激しくなった。

「うっ、いきそうだ…」

 そうつぶやくとより一層激しさを増した。

「んんー、んんー!」

「いくっ!」

 女性の足掻きとともに海斗は大量の精液を女性の喉奥深くにそのまま放った。射精は一度では止まらず数秒続いた。

 海斗が満足そうにペニスを引き抜いた後、女性は激しく咳き込みながら涙目で海斗を睨んだ。

「今度はちゃんと入れてやるよ。またな。」

 海斗はそう言い残し、服を着ると足早に部屋を出た。

 残された女性はまだ涙目で咳込んていたが、「嬉しいそうに見送った」と海斗は確信していた。


 城南 海斗はいわゆる傭兵である。皇グループの私設軍隊 皇スクワット(名前がダサ過ぎて誰もその名前で呼んでいないが)に所属している。通称SS(ショットガンスクワット)は多くの国内外の案件を解決してきた。皇グループ内の案件に留まらず大手企業や政府からの依頼も多く、表向きはコンサルティングを生業としていた。

 その活躍は目覚ましく海外にも知れ渡り、依頼は絶えることはなかった。昨日のフィリピンでの要人救出は闇バイトグループに監禁され働かされていた大臣のご子息の救出任務だった。任務は予想以上に順調に運び、フィリピン到着後、わずか2時間でのスピード解決となったため、急遽帰国。束の間の休日を楽しんでいたところだった。

 ちなみに先ほどの女性は帰国の際、搭乗した飛行機のCAで口説いてまだ数時間しか経っていない。「今度は入れてやる」など言い残しておきながら、連絡先はおろか自分の名前さえ伝えていない。

 海斗は元F1ドライバーで、現役時代はかなりの有名人だった。甘いマスクのせいもあり、女性ファンからの人気も絶大だった。そんな中、レースクイーンである小宮沙織との出会いが彼の運命を大きく変えた。

 レースクイーンの小宮沙織は決してスリムではなかったが、肉付きがよくいわゆる男好きする体型だった。大きく垂れ目気味の目に甘ったる喋り方で周囲の男達を勘違いさせる魔性の魅力を持っていた。

 そんな2人が恋に落ちるのは最早必然だったかもしれない。海斗はイケメンレーサーとして、メディアからも注目され、一方沙織もレースクイーンとしてだけでなく、グラビアアイドルとして活躍、さらに自らドライバーとしてレースに参加するなど、海斗以上にメディアへの露出が増えていった。もちろん2人の交際は公にされていなかったし、暗黙のルールとして、レーサーとレースクイーンの恋愛は禁じられていた。しかしながら交際は順調で海斗は結婚も真剣に考えていた。

 沙織のゴシップ報道が掲載された雑誌が発売されたのは海斗がプロポーズする予定だった日の朝だった。当初、海斗は報道は自分達のことと高を括っていたが、実際は違った。

 そこには複数のレーサーやスポンサーとの密会の様子が赤裸々に綴られ、相手のレーサーの一部がそれを認めるコメントも掲載されていた。お昼のワイドショーではゴシップ誌に名前の上がっていた海斗よりも格下のレーサーが会見を行い事実として認めた。

 海斗はその報道についてショックを受けたが、最もショックだったことはそこに自分の名前が一切なかったことだった。

 海斗は何度も沙織に連絡したが、沙織から一切連絡はなく、自宅にもいなかった。

 海斗のもとに沙織からメールが来たのは報道から1ヶ月経った深夜、モナコグランプリの前日ことだった。

 そこには海斗に対して謝罪や悪びれる様子はなく、報道された交際相手達をかばう文面が綴られていた。

 海斗の胸中に自分に対する不甲斐なさと沙織に対する怒りがこみ上げてきた。

 すぐさま沙織のスマホに電話したが、呼出音が鳴るだけで、出ることは無かった。メールを打っても返信はなく、ブロックされているものと感じた。

 翌朝、海斗はレースに出た。集中力を欠いた海斗は後続車の接触が原因でクラッシュした。

 奇跡的に海斗に怪我は無かったが、接触した後続車のドライバーは車体と壁に挟まれ動けない状態だった。

 海斗はすぐさまドライバーのもとに駆けよった。周囲の者はドライバーの救出に向かった勇敢な行為と思ったが、違った。

 海斗はドライバーのもとに駆け寄るやいなや挟まれて動かないドライバーを何度も殴打した。救護班が到着するまで、数十発は殴ったであろう。最後は車体に登りドライバーの顔を踏みつけているところを救護班に取り押さえられた。

 海斗は救護班数人から地面に頭を押さえつけられながらドライバーの顔を見上げた。

 ドライバーの顔は血まみれだったが、海斗を見おろした口元は笑っているように見えた。

「負け犬が…」

 さらにドライバーの口元はそう動いた。

 少なくとも海斗にはそう見えた。

 そのドライバーは沙織が交際報道を受けた格下のドライバーだった。

 海斗と沙織が交際していたことは周囲の者はほとんど知らない。よって今回の騒動はレース中の接触事故に対しての海斗の衝動的な怒りによるものとして片付けられた。

 海斗は当然A級ライセンスを剥奪され、レース界から追放された。

 その後、東南アジアでやさぐれていたところ、傭兵にスカウトされいくつかの軍隊を渡り歩き現在に至っている。



 海斗が本部の会議室に着くと幹部達が上座に待ち構えていた。いつもの横柄な座り方ではなく、無言で姿勢を正している姿に何かただならぬ雰囲気を感じた。

 会議室上座上部の大型モニターにはスリーピースのスーツを着こなした紳士と黒いスーツに黒縁眼鏡の美女が映し出されていた。

 いかにもvipとその秘書がただならぬ雰囲気の正体であると察した海斗は、軍隊式の敬礼を行い会議室モニターに向かって挨拶をした。

「城南大尉、ただいま参りました。」

「休日に呼び出して申し訳なかったですね。会長の皇です。」

 スリーピースの紳士が返した。言葉は丁寧だが顔は無表情だった。

 続けて隣の美女が挨拶した。 

「警備本部長のヒナガタです。お呼びだてして申し訳ございません。」

 思った以上の大物に海斗は戸惑った。


 



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