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ゴールデンウィーク前日

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

この度は筆者の都合で投稿が遅れまして本当に申し訳ありませんでした。

今後は定期的投稿出来るように精進するつもりですので気長にお付き合いください。



「やってきました、GW!」

「・・・・・・」

「やっぱり計画立てて有意義な休みを満喫しないとね。少しのミスが命取り、最終日に宿題が終わってなくて泣きを見るなんて論外だよ。とりあえず予定考えて来たからさ、何か意見あったら言ってね!」

「分かった、とりあえず落ち着け」



正確にはまだGWではなく、その前日だ。

今日は学校が午前中で終わったので、昼から玄さんの店でバイトをしていた。



「ほい、水」

「ほいほい、ありがとねー」



走ってきたようで額からは汗が流れている。

手提げからタオルを出して汗を拭いているが、滝のように汗が流れている。

話するために相当急いできたのだろう。

水を差し出すと勢い良く飲みほす。



「そんなに急いで来なくても良かったんじゃないか」

「えー、だって急がないと紫月は薫君や葵君と遊ぶじゃん」

「まぁ、確かに」

「折角のGWだよ、あんまり遊べないのはつまんないからさ。先に紫月の予定押さえておこうと思って」

「そっか。えーと、それが予定表?」

「うん、そだよー。とりあえず確認して、都合悪い日があったら教えて」

「はいよー」

 


柚が机にGWの予定表を置き、俺はカウンター越しに予定表を見せてもらう。


(随分ざっくりした予定表だな)


『1日目、課題を終わらせる。

2日目~6日目、リヴィエラor自由

7日目、学校の準備』


正直言って、課題を1日目で全て終わらせる必要は無いと思うのだが、「全部終わらせておけば復習が楽じゃん」と柚に言われて仕方なく1日目に全て終わらせることになっている。

もっとも、これは柚だから出来る予定表だ。

俺に一日で課題すべてをやり抜く頭脳もなければ集中力もない。

柚もそれはよくわかっているはずだ。

完全に見せてもらうことが前提のスケジュールなわけだ。


どちらかというと、今日話し合うのは2日目から6日目までの方だろう。

予定表にはリヴィエラをするか、もしくは自由ということになっている。

何もリヴィエラをぶっ続ける必要はない。

午前中に家事を済ませ、柚に勉強を教えてもらい、午後からは思いっきり遊ぶ。

これが今までの俺のGWだった。

とはいえ、今回は玄さんのバイトがあるからそうもいかない。


「俺は今回のGWは午前中に玄さんのバイト入れてるから、それからなら大丈夫だぞ」

「ん、分かった」

「あと2日目から6日目はリヴィエラになってるけど、他には何かしないのか?」

「あぁ、それなんだけどさ、委員長とかを誘って前みたいにお泊り会したいなって思ってるんだけど」

「あー、そう言えば最近委員長とはリヴィエラしてないな。んじゃ、俺は薫と葵誘うわ。前のお泊り会を随分羨ましがられたからな」

「あはは、そう言えばあの時は呼んでなかったね。じゃあ私は委員会たちの予定聞いておくね」

「ああ、頼む」

「適当にピザとか買うのもいいし、皆で何か持ち寄るのもいいね」

「そうだな。とりあえず――」


客の少ない『Pura vida』に二人の笑い声が響いている。

楽しいGWになりそうだ。



***


ピンポーン!

ガチャッ


「っ、来たか・・・・・・」


妙に大きく感じるインターホンの音を聞きながら、これから来るであろう面倒にため息を吐く。


「せんぱーい!コンバンワー!お利口さんにしてましたカー」

「・・・・・・はぁ」

「チョット!人の顔を見るなりため息とはひどいですネ!」


勢いよく入ってくる大学の後輩。

テンションの高いこいつの相手をするのは正直疲れるのだ。


「まったくもう、しょうがありませんネ。素直じゃない先輩にはほら、これを差し上げマス。『手作りベントー』!」

「よっしゃ、よくやった!さすがミシェルだな!こんな後輩を持って俺は幸せだ!」

「・・・・・・、なんか嬉しくないデス」

「なんだよ、文句の多い奴だな」


「ウー」、と言いながらこちらを睨むこいつは俺の後輩で、アメリカ人留学生だ。

俺が1年の時に履修できなかった科目を、2年目でうけていた時にたまたま隣に座っていた。

そこから学食であったりと何かと縁があり、今ではこうやって家にやってきては駄弁る仲になった。


「ほらほら、上手にできていると思いませんカ?」

「そうだな、大したもんだ」

「冷凍食品様様デスネ!」

「……だろうと思ったよ」


別に全品冷凍食品に文句があるわけではない。

こうして作ってくれていることに感謝しかない。

ただ思ってしまう。

『何で俺なんかと?』

もっと同級生と遊びに行けばいいと思うのだ。

大学の1年なんて一番遊びたい時期だし、くだらないバカ騒ぎが一番楽しい時期でもあるはずだ。


「先輩、何か飲み物はありますカ?」

「コーラとウーロン茶があるな。俺は酎ハイにするか」

「あー、一人だけお酒なんてずるいデス」

「何言ってるんだ、お前まだ未成年だろうが」


こうやって飲みながらダラダラと時間が過ぎていく。

俺はこの時間が割りと気に入っている。

とはいえだ、明日からゴールデンウィークだ。

二人とも別にバイトしてるわけではないし、時間は余っている。

幸い課題も出てない訳だし、何かイベントでもあれば良いんだが.......


「ん、そういえば......」

「どうかしましたカ?」

「ミシェル、ゴールデンウィークは予定あいてるか?」

「オヤ!まさかのデートのお誘い!?大丈夫デス!予定は今あけますカラ!」

「あ、いや、リヴィエラのイベントだから、別に無理しなくて良いぞ」

「デスヨネー。まぁ、大した予定もないので構いませんヨ」


元気になったり沈んだり、コロコロ表情が変わるやつだ。

見ていて実に面白い。


「じゃあ、今回のゴールデンウィークは二人でリヴィエラオンリーな訳ですネ」

「いや、今回は他も誘うつもりだ」

「えー、八咫烏とですカー?ワタシ居心地悪いんですケド」

「あー、違う違う。今回はまた別だ。この前面白いやつに会ってな」

「へぇ、強いんですカ?」

「いや、ただのルーキーだ」

「ルーキーとですカ?面白いんデス?」

「まぁ、会ってみたら分かるさ」


あんな挑発してくれたんだ。

こっちが楽しむのに付き合ってもらうぜぇ、シズ――



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