クリスマス番外編3
遅れましたがクリスマス番外編です。
若干のネタバレを含みます。
クリスマス番外編はここまでにします。
後は本編の方で書いていく予定なので、これからも気長にお付き合いください。
よいお年を。
「ふぅ、これで最後でごさるな」
ようやく冬休みの宿題を終わらせて、大きく体をのばす。
「おお、もうこんな時間でござるか!?」
時計を見ると思ったよりも時間がたっていた。
紫月の家でクリスマスパーティーをすることになってたから、それまでに済ませてしまおうと思ってはいたのだが、気づけばもう夕方になっていた。
「ふむ、あと少し時間あるか、折角だし先にリヴィエラの様子を見るとしますかな」
今回のクリスマスパーティの際に、皆でリヴィエラをする予定ではあるのだが、ゲーマー故にイベントが非常に気になってしまう。
「ま、言わなければバレないのだし、どれ、先に下見にでも」
そう言ってリヴィエラにログインしようと椅子から立ち上がり、振り返った瞬間、
「どわっ!!!」
こちらをジト目で睨みつけてくる人物にようやく気付く。
「え、恵梨香氏!い、いつから居たのでござるか!?」
『勉強している最中から。珍しく真面目に勉強してたから待ってた』
「珍しくは余計でござろう!っというか鍵はどうしたのでござるか?」
『茜に聞いた』
「あんの脳筋馬鹿め!プライバシーすら知らないようでござるなぁ!!」
『因みにこれ』
そう言ってタブレットを見せてくる。
そこには茜からのメールが。
『葵にぃの家の鍵?
・倉庫の植木鉢の下
・玄関横の植木鉢の下
・倉庫の自転車のカゴの中
このどれかだと思うよ』
「拙者の行動が全部筒抜けに!?」
いやぁ、驚いた。
茜は俺の行動パターンをよく理解している。
因みに今日の場合は自転車のカゴの中に入れていたのだ。
『茜は優秀。それに比べて』
それだけを打ち込んでこちらをジト目でまたも睨みつけてくる。
「な、何でござるか」
『まさか本当にリヴィエラをやろうとしているなんて』
「うっ。それは、何といいますか、ゲーマーなら仕方ないと言いますか」
『私もゲーマー。我慢している』
「ハイッ、すいませんでした!」
もう、ね。
あのジト目には敵わないでござるよ。
さっさと謝った方が吉。
「ん?『まさか本当にリヴィエラをやろうとしているなんて』?あの、恵梨香氏、誰かから何か言われたのでござるかな?」
『紫月先輩と薫先輩から。「あいつなら必ず先にしようとする。黙ってればバレないだろうとか言いながら」って』
「友の信頼が辛いっ!!」
全くもってその通りなだけに、何も言えない。
「しかし恵梨香氏、わざわざ来てもらって申し訳ないでござるな。適当に何か淹れてくるので、少し待っててくだされ」
ペコッ
頷きを確認して部屋から出る。
正直なところ、自分の友人たちが色々と言ったところで恵梨香氏が来る必要はないと思うのだが、まぁ別にいいだろう。
この一年、色々あった。
恵梨香氏もソロをやめてギルドで楽しんでいる。
皆とゲームするのが楽しいのだろう。
だからこそ先にゲームをしようとしている自分を止めに来たのかもしれない。
まぁ、角来てくれたのだ。
紫月の家に行くまでのんびりゲーム談義でもしてればいい。
幸い、二人ともゲーマーなのだから、話題はたっぷりある。
***
「ん、これはラブコメの予感」
「は?千鶴、どしたの?」
「今恵梨香が葵にぃの所にアタックナウ」
「え、そうなの。そっかぁ。クリスマスだもんねぇ。あたしもさっきスーパーで薫にぃ達を見かけたよ」
「まぁ、薫にぃと恵さんのコンビは鉄板。もうなんとういうか初々しさとか欠片もなく、凄まじいほどの安心感が感じられる」
「あー、確かにね。まぁ問題は葵にぃの方だね」
「葵にぃは鈍感。正直恵梨香の好意に気づいていない可能性の方が高い」
「ああー、確かにね。でもまぁ、恵梨香から懐かれていることぐらいは分かっていそうでしょ」
「問題はそこからどう次に持っていくか。恵梨香の手腕次第」
「まあ、そうだね」
そう言って茜はため息を吐く。
「まあ、人の心配してる余裕ないんだけどね」
「・・・・・・」
「私たち、結局この一年、全く色恋なかったね・・・・・・」
「・・・・・・」
「ま、周り見てるのが楽しいからいいんだけどさ」
「同感。でもいつかは、自分たちも」
「あはは、そだね」
姉妹二人、自分もいつかと夢見ながら、「ま、今は周りの恋愛見てるのが楽しいからいいか」と、ひとまず今は他人の色恋に現を抜かすのだった。
正月番外編は元旦の午後に更新予定です。




