地図
俺とユズキは別れて情報収集を行った。
行ったのだが、
「どう?何か情報集まった?」
「いや、特に」
これが中々難しかった。
噴水広場で話しかけても、未だに俺を見て怖がって話しかけようとしても逃げていくのだ。
全く、結構この場所で買い物しているんだから、いい加減慣れてほしいものだ。
「ユズキは?」
「私の方は1ヶ所だけかな。場所はルミナリア樹海。そこに湖があるんだって」
良かった、こちらは収穫があったようだ。
「そのルミナリア樹海って場所はどこにあるんだ?」
「カルミナ平原を抜けた先にあるみたい。まだ行った事はないね」
「へぇ。じゃあそこにするか」
「うん、そこなら場所も近いから今日中に行って帰ってこれるよ」
「そうか。じゃあ今から行くか?」
まだ日は出ている。
場所は樹海らしいから日が落ちたら迷ってしまうかもしれない。
行くなら今の内だろう。
「うーん、その前にアノス道具店に行こ。便利なアイテムがあるかもしれないから」
ふむ、アノス道具店か。
確かにあそこなら樹海探索向けのアイテムを売っているかもしれない。
それに湖があるなら、折角だから釣りをしたい。
「そうだな。俺も釣竿があるか見てみるかな」
ルミナリア樹海に向かう事が決まると、俺たちはアノス道具店に向かった。
***
アノス道具店
「やぁ、二人とも。いらっしゃいませ」
「こんにちはアノスさん。ルミナリア樹海にある湖まで行きたいんだけど、必要な道具はあるかな?」
「ルミナリア樹海かい?そうだねぇ......例えばこれはどうかな」
そう言って出されたのは1つの地図だ。
「へぇ、地図があるんですね」
「うん、そうだよ。これはトラベラーと一緒に作った物なんだ」
へぇ、トラベラーと一緒に作った地図か。
住民と一緒に共同開発をしているトラベラーも中にはいるんだな。
てっきりトラベラーと住民間の中はよろしくないとばかり思っていた。
「ここがカルミナ平原だから、ルミナリア樹海はここだね。湖は確か、ここだったかな」
「へえ、結構距離あるな」
アノスさんの指が地図をなぞる動きを追っていく。
カルミナ平原の広さが思ったよりも広く、そこを抜けても今度はルミナリア樹海の中から湖を探さないといけない。
「んー、道中のモンスターは避けて通るとしても、結構時間かかるかな」
「それなら、この道具を使ってみたらどうかな」
出されるのは2つのお札。
「これは呪術師のトラベラーが作った呪符だね。移動速度が上がる効果があるんだ」
へぇ、そんなアイテムまで作ることが出来るんだな。
とはいえ呪術師の作った呪符かぁ。
なんとも使用するのに勇気がいりそうなアイテムである。
「へぇ、それは便利そうですね」
「まぁまだ色々試作でもあるんだ。効果自体は強力なんだけど、効果時間は5分から10分でランダムなんだよね」
ユズキとアノスさんが俺をおいて話を進めていく。
ふむ、思ったよりもキツイデメリットではなかったか。
呪術師なんて聞いたものだからもっと危険なデメリットがついているのではと思っていたのだが。
「あらら、ってことはある程度数がいるってことですね」
「まぁね。とはいえルミナリア樹海に行くんだったら大体6、7枚も有れば行って帰ってこれるよ」
「んー、二人分で14枚か。あぁ、あと地図もいるな。じゃあ地図と呪符14枚でお願いします」
「待った待った。今10枚でセット価格で売ってるから、単品14枚買うより安くすむよ」
「あ、それは助かります。んじゃ、それでお願いします」
「はい、毎度あり♪」
良かった良かった。
これで移動面の心配はなくなっただろう。
後は湖に着いてからの釣りの道具だ。
「後は釣竿なんかはありますか?」
「お、釣りに行くのかい?ただ結構高いんだよね」
へぇ、ある事はあるんだな。
とはいえ、俺もあまり金を持っている訳ではないし、そもそも今アイテムを買ったばかりだしな。
「うーん、ちょっと厳しいかもな」
「だったら僕が使っているのを貸してあげるよ」
あ、どうやらアノスさんもやってるようだな、釣。
まあ貸してもらえるのなら有り難いか。
「いいんですか?」
「もちろんさ。後でちゃんと返してくれれば、それでいいよ」
「分かりました。有難うございます」
「はい、毎度あり♪」
移動用のアイテムと釣りの道具を手に入れると、ようやく俺たちはアノス道具店を後にした。




