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予想と違ったスキル


自宅のソファで目が覚めると、外は既に暗くなっていた。気絶したことで自動的にログアウトしたようだ。しかしまさかVRで気絶するとは。幸い痛覚はある程度軽減されているとはいえ、それをぶち抜いてくるマザーの一撃に戦慄する。


紫月は下手しらモンスターの攻撃も、あの威力の攻撃があるのではと考えていたのだが、本来攻撃をくらって気絶するのは稀である。基本的に攻撃側と防御側のステータスとスキルとレベルの差によって痛覚も衝撃も変わってくる。トラベラーとモンスターのステータスとレベルがそこまでの差が生まれるのは、レイド級のモンスターを相手にする場合くらいのもので、気絶する方が稀である。今回の場合はシズのLV5のサモナーとしての低い防御力を、マザーの攻撃が圧倒した結果、気絶という状態になったのだ。

だかそれを知らない紫月は、


(前衛職でなくて本当に良かった。あんな衝撃が頻繁に襲ってくるとかシャレになっていない。でもそうなってくると柚の方に攻撃が集中することになるのか。それはさすがに避けたいな。あいつスキル次第ではお礼状に紙装甲になるわけだしなぁ。となるとバルムンクに敵のターゲットを集中させる方がいいだろうな。バルムンクの回復は————)


ひたすら敵の攻撃を喰らわずに被害を少なく、どう戦闘を終わらせるのかに考えを巡らせていた。





***



ログインし直すと、Gardenでマザーとバルムンクがものすごい勢いで謝ってきた。

俺を気絶させたこと。そして今まで俺を騙していたことだ。

とは言っても俺はそこまで気にしていない。

気絶されられたことは自分の自業自得だと思っているし、騙されたことに対しても、俺自身に騙されたという実感がないのだ。マザーに対しては何か秘密があるのだろうと漠然とした予感はあったわけだし、バルムンクに至っては俺が男だと先入観を持っていたが故に招いたミスだ。


その考えを伝えると安心したようで、手作りのスープを振る舞ってくれた。

下手に拗れないかと心配だったが、二人の様子から杞憂であった事が分かる。


二人の事は特に詳しくは聞かなかった。何かしら事情があったのだろうし、そもそも俺に話さないといけない訳でもないんだ。凶悪鎧騎士の中身が恥ずかしがり屋で妖艶な女性であったり、婆さんの中身が銀髪少女であったり、多少予想外のことはあったが、これも『住民との交流』というリヴィエラの醍醐味だと無理矢理納得することにする。


うん、もう考えるのをやめた。



***



さて、今俺は何とも言えない気持ちで席に座っている。



マザーが淹れてくれた紅茶を飲みながら自分のステータスを見ると、代理人のところにNewの表記がでていた。

ついに新しいスキルが得られるか、どんなスキルかなと、呑気にスキルを見たのだが、そのスキルが予想外のものだった。


『ボコられた者』

限界を超えた攻撃を受けた者の証。

ダメージカット+


『無謀な挑戦者』

レベルの差が100以上ある相手に挑んだ証。

全耐性++


『混浴を楽しむ者』

嬉し恥ずかし混浴。そこに足を踏み入れた(踏み外した?)者の証。

精神力+


「......」


えー、色々と言いたいことがあるが、とりあえずスキルの事を先に考えよう。


3つともパッシブスキルに分類されるスキルで、恐らく効果量は微々たるものだろう。

だが、たとえ1つ1つは効果量が低くても、MPを消費することなくステータスを永続的に強化できるから馬鹿に出来ないだろう。

アクティブスキルのような派手さはないが、数が揃えば相当な効果量になるわけだから、組み合わせも考えながら取得していくといいと思う。


問題は、このスキルを取得出来た前提になるだろう。明らかに風呂場に入ったことや、マザーに殴られた事が影響している。マザーが以前に、イベントをこなせばスキルを取得できると言っていたが、まさかこんなことでスキルを取得するとは思わなかった。今後もこういう風なスキルを取得していくのだろうか。


気になるのはスキル名と説明文だ。


まず『ボコられた者』からだな。

うん、限界を超えた一撃だったんだな、あれ……。絶対マザーを怒らせないと心の中で固く誓う。あんな衝撃は二度と受けたくないものだ。

ちなみにログには攻撃を受けたことにはなっていなかった。恐らく町の中ではダメージを受けないようなシステムなんだろう。そうであってほしい。でないと街中でトラベラー同士の争いが起きて、安心できなくなってしまう。システムをぶち抜くマザーの一撃は考えないことにする。

ダメージカットの効果量はどんなものかは分からないが、これは改めて検証していけば分かることだ。紙装甲な俺の生存率に関わってくるからな。それに、俺が倒れるとバルムンクも一緒に消えてしまうのだ。パーティが一気に崩れてしまうからな。ここら辺はしっかりと把握しておくべきだろう。


次は『無謀な挑戦者』だな。

もうマザーについては考えない方がいいだろう。少なくともLV100以上であることは分かった。……別に挑戦した訳ではないんだがな。

問題は全耐性だな。恐らくは状態異常関係のスキルだと思う。気絶も状態異常の一部だと考えれば、衝撃に対しても効果があるのかもしれないな。あと+の数か。二つもあるのが気になる。まあ一つよりも高いのだろう程度に考えてればいいか。


最後に『混浴を楽しむ者』だな。

これについては悪意しか感じられない。完全に風呂に入った事が原因だろう。

混浴したのは事実だし、足を踏み入れたのも事実だからそれは良いんだが。声を大にして言いたい。足を踏み外したわけではないと。一応バルムンクに了承して貰ったわけだし。風呂自体は楽しんだが、混浴を楽しんだわけではないと。

効果は精神上昇の効果か。何故精神上昇なのかは置いておこう。まあステータスが上がるわけだし、助かるんだが。

何故だろう、このスキルをとったら面倒なことになると、俺の勘がそういっている。


それぞれに、何とも悪意が感じられるスキル名と説明文だが、効果自体は悪くはないと思う。

パッシブスキルだからそこまで効果量は高くはないだろうが、痛い思いをしたくない俺としては、ダメージカットも全耐性もすごく魅力的だ。ただ俺の中で想像していたスキルとは若干違っていただけで。


とりあえずスキルポイントを使って『ボコられた者』と『無謀な挑戦者』を取得していく。『混浴を楽しむ者』については自分の勘に従って取得しないでおいた。

ステータスを見ても、特に変化は見られない。実際に戦ってみると分かるのかも知れない。


代理人についてのスキルについての心配もこれで一応解決された。これが代理人のスキルなのか、2次職だから得られるスキルなのか、まだ色々と分からないことだらけだが。恐らくこのリヴィエラで色々と体験したことがスキルとなっていくのだろう。


ただ、やっぱり一番の謎なのは、『代理人って一体何?』ってことだろう。


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