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代理人について

更新遅くなってしまいすみません。気長にお付き合いください。

代理人のジョブについて聞くために、婆さんを探すと裏の畑で見つかった。

畑の水やりをしているところだった。

婆さんに寄って行き、水やりをしていたホースをかわりに持つ。


「婆さん、折角俺がいるんだから言ってくれよ」

「いやいや、今日はお前さんにお客が来ていただろう。畑仕事に誘うのも申し訳ないからの」

「お客って道草さんの事か?もう帰ったよ」

「なんじゃ、もう帰ったのかえ。ゆっくりできたかのぉ」

「なに、婆さんの料理も食べれたし、結構話できたから大丈夫だろうよ」

「ふむ、また機会があれば来るように言っておいてくれ」

「分かった」


のんびり話しながら水やりをしていく。ホースから出る水を見ながらのんびりすると不思議と落ち着くものだ。婆さんは木の椅子に座りながらこちらを眺めている。丸いテーブルには菓子やお茶が置かれている。なんとものどかなものだ。

水やりを終えると婆さんの向かいの椅子に座ってお茶を貰う。作業後の冷たいお茶が実においしい。


「そういえば婆さん、代理人について教えてくれないか」

「ふむ、何を聞きたい?」

「さっき確認したんだけど、取得できるスキルがなくてさ。そもそも俺は代理人について、まだ詳しく説明されているわけではないからさ。婆さんの手伝いをすればいいんだろうって思っていたんだが」

「そういえばあまり説明してなかったの。このGardenは私がとある人物から譲り受けたものでな」

「え、そうなのか」

「うむ、もう随分と昔の話だがの。それからずっと私は管理を任されていたのだ。本当ならお前さんにさっさと管理者を任せてもいいのだが、流石にこの世界に来たばかりでは無理があると思うし、他から見た時も異質に思われることも危惧して、管理者代理としてそのジョブを渡したというわけだ」


成る程な。代理人はやっぱりGardenの管理者の代理というわけか。確かにログイン初日から施設運営を任されても無茶な話だ。他のトラベラーから見ても異常だと思われるだろう。補佐的な位置が無難という考えも分からなくはない。他が代理人やっても俺としては構わないのだが、折角婆さんから任されているんだ。その期待を裏切ることはしたくない。


「それから、スキルの件は心配しなくともちゃんと得られるぞ」

「お、そりゃ良かった。例えばどんなスキルが得られるんだ?」

「例えばのぅ……いや、今はやめておこう」

「……何でまた?」

「全部言ってしまったらつまらんだろう」

「……確かに」


それもそうだ。全部知ってしまうと自分で探す楽しみがなくなってしまう。


「じゃあ誰から譲り受けたのかも、まだ教えてはもらえない訳か?」

「ふふ、気になるのは分かるがな。いずれまただ」

「そう言われると気になってしまうな」

「ならヒントをくれてやろう。このGardenの最初の管理者はこの世界に最初にログインした者だ」

「へぇ、そんな古参のトラベラーなのか」


成る程な。そんな初期からいるトラベラーが利用していた施設だから、バルムンクみたいな規格外な存在もいるわけか。きっと牧場にはまだまだ強いモンスターたちがいるのだろう。


「ま、スキルが得られないわけではないんだ。楽しみに待っとれ。きっと驚くぞ」

「いや、まあ今でも十分驚いてるよ」


Gardenが使えるわ、バルムンクが仲間だわ、初っ端からいたせりつくせりだ。


「さて、一仕事終わったし、一風呂浴びるとするかの」

「お、風呂か。どこかにいい場所あるのか?」

「どこもなにも、このGardenの風呂だぞ。ってそうか、まだ案内してなかったな。入るか?」

「入っていいのか!?」

「そりゃいいだろう。そもそもお前さんはこのGardenの管理者代理人だぞ。ある程度の権限を有しているのだから、遠慮なぞせんでいい」

「……分かった。それじゃ有り難く利用させてもらうよ」

「おお、入ってくるといい。場所は裏口から入ってすぐだ。私も後から入るとするか」

「俺もユズキ達に風呂の事を教えてから入ることにするよ」


そう言って、風呂の場所を確認しつつ、ユズキ達がいるであろうエントランスに戻っていく。

その時はまだ、風呂場にあんなトラップが用意されているとは、夢にも思っていなかった。。



***



「さて、入るとするか」


ユズキ達に伝えた後、俺は風呂場に入っていく。

風呂の入り口が一つしかないところを見ると男性女性に分かれてはいないようだ。


(それもそうか。婆さんはあくまで風呂としか言っていない。温泉ではないのだから男女別になってはいないのだろう)


だからそのこともユズキ達に教え、先に入るように伝えると、


「私たちはそろそろログアウトするから、今回はシズだけで楽しんできなよ」


と言われた。有り難い事だ。正直手伝いなどで汗をかいたから一風呂浴びたかったのだ。

それに女性が入った後の風呂というのは何かと気をつかう。


(今回は何も考えることなく伸び伸びと満喫することにするか。しかし今更だが汗をかくんだな。ますますゲームとは思えなくなってくるな)


脱衣所に入ると、籠が並べられており、一つだけ使用されていた。その中には見覚えのある鎧が。


(お、バルムンクも入っているのか。しかも鎧を脱いでいるとなると、遂に中の人とご対面ってことになるか)


そう思いながら服を脱いでいく。因みに、服を脱ぐ作業は、メニューの装備から解除することで一瞬で脱衣することが出来る。便利なものだ。

服も脱ぎ、適当に籠に入ってあるタオルを取りつつ、浴室に向かう。


(さて、どんな武人が出てくるものかね)


だから全く想像していなかった。


「よっ、バルムンク。お邪魔するぞ!」


勢いよくドアを開けたその先に、


「え……」


金髪褐色の美少女が立っているなど、


「は……」


夢にも思っていなかった。


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