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反省会

「はい、じゃあ作戦会議を始めようか」


結局仲良くファニーラビットに殺されてしまった二人。Gardenに転送されてしまったので、再度挑戦する前に作戦会議をすることになった。


「……えっと、その前にごめんね」

「ん?何が?」


Gardenに戻ってから随分おとなしいユズキ。何か落ち込むようなことでもあったのか?結構モンスター狩ってたからレベルも上がっっているだろうし、モンスターの素材も手に入った。俺としては上々だと思っているんだが。


「いや、その。自分で先走ってしまったせいで死んでしまったから」

「ああ、確かにあれは失敗だったかもな。今度から位置調整も考えた方がいいな」

「スキルも勝手に使って、モンスターを呼び寄せることになった」

「ああ、やっぱりあれってユズキのスキルの影響だったんだ。異常なぐらい敵が襲って来たからな」

「……うん、ごめん」


成る程、確かにあれが全滅の原因ではあるのだろうが、でも別に謝るほどの事とは思えなかったんだが。


「いや、今回死んだのは俺が周囲の警戒怠ったからだし、別に謝らなくていいぞ。これからもこういった予想外のスキルの効果があるかもしれないし、そもそも今回はスキルの検証も目的だったんだから、怒るようなことでもないだろう」

「……それはそうなんだけど」

「過ぎたことだ。それに、早く戦いたくて楽しみだったんだろ?」

「……うん」

「楽しかったか?」

「……うん」

「なら良かったじゃないか。別に怒るようなミスでもなかったんだし、俺は気にしてないよ」

「……ありがと」


寧ろミスしてくれて正直ホッとしているんだがな。普段からあまりミスなんてしないからな。

それよりも作戦会議だ。今までもユズキは戦いを楽しみにしている用だった。なら、これから戦う機会も増えていくだろう。流石に今の調子だとすぐに死んでしまうからな。


「はい、反省会はとりあえずここまで。それよりも今回の戦いで気づいたことと、改善できることを話していこう」

「……うん、分かった」

「改めて確認するけど、モンスターを呼び寄せたのはユズキの「トラブルメーカー」の効果か?」

「うん、そうだと思う」

「そうか、これは将来が楽しみなスキルだな」

「え?危険じゃなくて?」

「もちろん危険なスキルでもあるが、ちゃんと準備しておけば良いレベル上げが捗るいいスキルだろ。ユズキも今回でレベル上がっているだろう?」

「あ、ほんとだ」


やれやれ、相当落ち込んでいたらしい。普通なら真っ先に喜びそうなもんだが。


「それにこのスキルの効果はそれだけじゃなかったろ?宝箱に関しても影響があったはずだ。レベルが上がれば宝箱の中身がよくなるかもしれないじゃないか。効果時間が長くなってしまうかもしれないから、スキルのレベルを上げるのは強くなってからでもいいと思うが、なんとも夢のあるスキルじゃないか」

「そうだね。効果時間が長くなっても私たちには継戦能力低いから、スキルのレベルを上げる優先度は低いけど、先の楽しみな話でもあるわね」


お、大分気持ちも元に戻ってきたのだろう。よかったよかった。あまりしおらしくされるというのも困るものだ。やっぱり笑顔でいてくれる方が気持ちがいい。


「ああ、それよりも問題は「捨て身」の方だと思うんだが」

「え、そう?かなり攻撃力も上がったし、そんなに悪いスキルでもないと思うんだけど」

「いや、攻撃力は確かに上がっているし強いもんだと思うぞ。ファニーラビットも一撃だったからな。けどその反面防御がかなり落ちてただろ?」

「あー、確かにそうだね。一発がかなりダメージ大きかったから、相当減ってたんだと思うよ。まあ装備を整えたら大分変わると思うけど」


確かに今回は初期装備で、碌に装備を整えずに戦ったからな。整えればダメージを抑えられるな。ユズキの装備を整えるのが最優先だろうな。


「流石に装備をおろそかにしすぎたな。市場にも行ってみるか」

「そうだね。結構倒したモンスターの素材が手に入っているし、売ってお金に換えるのもいいかも」

「ああ、そうしよう。そういえばHPが減ってから動きがどんどん良くなっているように見えたんだが、あれって「スリル」の効果なのかもな」

「そうだった?自分ではよく動けているなって感覚しかないんだけど」


そうなんだろうか。見ている方としてはどんどん動きが早くなっているように見えたんだが。前衛じゃないので、そこら辺の感覚は分からないな。


「本人の体感はそんなものなんだな。これもスキルレベルを上げるともっと変わるかもしれないな」

「そうだね。でも序盤は幅広くスキルを習得していくつもり」

「お、方針を決めたんだな」

「うん、正直使いどころを考えないといけないスキルが多そうだからね。色々取って、状況に対応できるようにしていきたいかなって思う」


確かに使いどころを選ぶスキルだと思う。でも効果は高いのだ。豊富にスキルを取ってくれるというのは助かる話だ。


「そうか、わかった。ユズキのスキルはこんなものか。俺はどうだった?」

「うん、まぁ言わなくても分かると思うけど、一番目に付いたのはやっぱりバルムンクだと思うな」

「……だよなぁ」

「正直強すぎるよ。手加減してあれなんだから凄まじいよね」

「確かにな。でもファニーラビットの時のバルムンクの動きはあれで良かったと思うんだ。敵の攻撃もバルムンクに集中したし、盾代わりにいいんじゃないかと思ってな」

「確かにあれは助かったわね。まあ、この二人だとどうしても防御面が気になるところではあるものね」

「そうなんだよ。シハンたちが居れば変わってくるんだろうが、毎回一緒にプレイできるわけでもないからな。そういう時はバルムンクに敵を引き付けてもらえばいい」

「そうだね。じゃあ守りは良いとして、後私たちに足りないのは回復かな?」

「そうだな。俺の「譲渡」は発動が早くリキャストタイムも長くないから使いやすいんだが、俺が死にやすくなってしまうからな。市場で回復アイテムも買えば楽になるだろうな」


イインチョ―がいてくれたら助かるんだろうが、こればっかりは仕方がない。回復アイテムで代用するしかないだろう。


「整えるのは装備とアイテムだね。他に話し合っておくことってある?」

「ああ、さっき言った位置調整だな。俺が後衛なのはいいんだが、離れすぎると俺が敵に狙われたときに助けてもらえない。かと言ってユズキに近すぎると巻き添え食らいそうだし。バルムンクを俺の傍に置いてたらユズキに攻撃集中してしまうしな」

「レベルを上げてみるのはどうかな?確かサモナーのレベルが5になれば使役できるモンスターが増えるんでしょ?使役できるモンスターが増えれば守りも回復もできるからよくない?」


確かに俺も最初はそう思ったんだが、それは無理なんだよな。


「いや、一度に召喚できるのは一体だけだ。二体同時に召喚できるはもっとレベルを上げないと取れないらしい」

「そっかぁ、いい考えだと思ったんだけどなぁ」

「流石にそう都合よくはないだろうな」


さて、だとするとどうするか。


「ねえ、シンプルにバルムンクに仕えそうなスキルがないか聞いてみたら?」

「は?バルムンクに聞いてみる?話せないんだぞ?」

「別に話せなくても意思疎通は出来るでしょ。私買い物してアイテムと装備揃えてくるから、その間少し聞いてみたら?」

「ふむ、今のところいい手も思いつかないしな。分かった、そうしよう。じゃあ俺の素材を渡しておくか」


ファニーラビットの素材をまとめてユズキに送る。俺の金は増えないが、優先すべきはユズキの装備だ。今回は別にいいだろう。


「取りあえずそれでユズキの装備とアイテムを揃えてきてくれ」

「……分かった。でも次はシズの装備を整えるからね」

「ああ、それでいいよ。じゃあ行ってらっしゃい」

「行ってきまーす」


元気よく出ていくユズキ。出て行ったのを確かめてから俺はバルムンクを召喚した。


「召喚、バルムンク」


瞬間バルムンクが出てきたのだが、何故か落ち込んでいるように見える。


(こいつもか……)


「バルムンク、今回の戦い、ありがとう。助かったよ」

「————」

「色々改善するべきことを考えていたんだが、少しバルムンクにも聞いていいか?」

「————」


当たり前だが一言も喋らない。だが、頷きを返してくれるので、意思疎通は出来るようだ。

俺は今まで話し合ったことを伝え、悩んでいることを告げると、バルムンクがスキルを見せてくる。


『死の恐怖』

対象に恐怖を与えることで一時的に敏捷を下げ、注意を引き付ける。また、稀に「恐怖」状態にする。


「えっと、このスキルを使えばいいってことか?」

「————」


頷いて答えてくれる。確かにこのスキルは使える。

思い出すのはゴブリンだ。随分と警戒しているようだったし、バルムンクしか狙っていなかった。もしかしたらこのスキルを使っていたのかもしれない。


「ゴブリンと戦ってた時はこのスキルを使っていたのか?」

「————」


首を横に振る。どうやら違うようだ。だとすると素で怖がっていたんだな、あのゴブリン。まあそりゃ怖いか。


「分かった。次はこのスキルを最初に使って戦ってくれ」


その後も俺はバルムンク相手に戦う際の位置取りなども話して過ごした。バルムンクも身振り手振りで答えてくれる。頼もしいモンスターだ。いや、相棒だな。


「ただいまー。あれ、もう終わったの?」

「おかえり」


そうしているとユズキも帰ってきたようだ。先程と違って、装備が一新されている。皮のプレートというのだろうか。


「取りあえずこんな感じになった」

「ふむふむ、これまた便利なスキルね。こっちは位置取りかな?うん、これならいいんじゃない」


流石だ。理解が早い。


「ユズキも装備はそれでいいのか?」

「うん、今買えそうな中ではこれが一番良かったと思うよ」

「そうか。アイテムは?」

「抜かりはないよ。ほいっ」


そう言って送られてくるアイテム。ポーションと薬草がいくつかある。


「ポーションは分かるんだが、薬草はなんでだ?調合できないぞ?」

「ああ、薬草だけでも回復効果を得られるらしいから買っておいた。ポーションも数を揃えようと思ったら金額も馬鹿にできないからね。まあ薬草使ってみてよ。最初の内は薬草でも良かったら節約にもなるしね」

「なるほど、分かった」


色々やりくりしてくれたようだ。有り難い。

準備は整った。装備もアイテムも立ち回りも。今考えられる中での最善手だ。


「さて、リベンジといこうか」


ユズキとバルムンクも強く頷いた。

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