生命の精霊
ナルニア視点です
あれから...3日がたった。ムーミュからホワトラさんと連絡が出来て情報共有が終わったと連絡が来たので、商業ギルドのギルドマスターの部屋にやってきた。
「ホワトラさんと連絡は出来たって?」
「うむ...ホワトラは今、精霊伝説とやらを調べ終わったらしい。」
「精霊伝説?」
...確かホワトラさんの資料の中にそれについての話も入っていたような?
そう思い私用に渡された資料を開き、精霊伝説についてのページを探す。
「精霊伝説って、よく童話にもなってる神様が世界を作ったあとのお話だよね。」
確か内容を簡単にまとめると、神が世界を作ったあと、その世界に各属性を司る精霊達が世界に遣わされ、その精霊たちが前途多難を乗り越えながら今の大地を作ったとか、途中で闇の属性が裏切って魔物を作ったとか...そんな話だったと思う。
「うむ。どうやらホワトラはその精霊伝説に違和感を感じたようじゃ。登場する精霊が足りないと...な。」
「精霊が足りない?...あ...あった。」
精霊伝説についてのページには、この世界に伝わる精霊伝説が一通り書かれたあと、生命の精霊はどこに?っと走り書きのようなものが書かれていた。
「今回の情報共有を行なうまではそのページに書かれている生命の精霊とは、ホワトラ達との精霊の呼び名が異なるだけで此方が知る精霊の中の誰かじゃと思っていた。」
そう言いながら、ムーミュも資料の精霊伝説についてのページを開き、そこに書かれた走り書きを指でなぞった。
「じゃが本当は違った。生命の精霊は過去の人類が意図的に精霊伝説からその存在を登場しないように改変し隠されていただけで、本当は存在していてその精霊は世界樹に住んでいると...その精霊こそが世界樹を利用して生命力を世界に与えて、世界の維持をしていると...」
ムーミュは、悔しそうな顔でその美しい髪を強引に掻きむしりながら、
「小さな頃から何度も精霊伝説や精霊については子守唄のように聞かされておった...それが先入観となって精霊は此方が知る数しか居ないと...もっとこの記述に違和感を持っておれば此方の方から調べさせてもっと早い段階でこの情報を得れたはずじゃ...ホワトラも精霊伝説を調べるのに使った時間を別のことに使えたはずじゃ...これは、わしのミスじゃ...すまぬ...」
つまり、私たちが前に見つけた世界樹の伝承で世界樹の存在とそれがある土地について分かった。
その時にムーミュがその走り書きを調べていれば「意図的に隠された生命の精霊」の存在に気づき、世界樹で何をすればいいのかのヒントを得ることがもっと早く出来た。
でも、その走り書きを勝手な先入観で無視してしまったせいで、ホワトラさんが自ら調べることになってしまい、重要なヒントを得ることが遅くなってしまった。
なるほどね。世界の終わりが着々と近づいてきていて...だから、ちょっとのミスで余計に時間がかかってそれで間に合わなくなるかもしれない。そんな大切な時間を無駄に浪費してしまったとムーミュさんは後悔している。
「...大丈夫だよ!いい?ムーミュさん!ムーミュさんってほんっとうに頑張ってるよ!アカナさんが各支部との連絡に忙しいからって、今回のこの件以外にも普段の事務処理をアカナさんの分までやってるよね。ほんとすごいと思うよ!前にも言ったじゃん!1歩ずつでいいんだよ。今回も1歩進んだ。1歩前進!積み重ね!」
そう言いながら私は、ムーミュさんをギュッと抱きしめた。
「ははっ...すまん!忙しすぎて気が参ってしまってたようじゃ。なんというか下手な励まし方じゃの。」
「えっそう?ごめんね?」
「はは!まるでファフみたいじゃな!」
---なにそれ、励ましてくれてるの?だとしたら下手な励まし方だなーもー。
---うっ...すまん。
---しかたないなぁ!励まされてあげるよ!
「1度、こうやってファフに励まして貰ったの。それの真似...かな?」
「なるほどの...よし、やるぞ!世界を救うんじゃ!いつまでも落ち込んでおれん!」
ムーミュは、元気そうにニカッと笑った。
いやー昨日はぐっすりですよ...はは...
人をダメにする枕ならぬ、人ダメにするクッションですねこれ。




