心強い仲間たち
大した決断も出来てないが、このままにもしておけないのでアーマとナルニアを呼んで商業ギルドに向かう。
ムーミュとアカナのいるギルマスの部屋に入り緊急の要件だと、先程ホワトラから知ったことを詳しくみんなに伝えた。
「なんじゃと!世界の寿命が尽きかけてる...ほんとうなのか!」
真っ青な表情で思わずムーミュ立ち上がった。
その立ち上がる音に釣られてそちらを見ればムーミュの足が少し震えていた。
「残念ながらな。このまま行けばこの世界は滅ぶ。」
「何とかする方法はないのですか?一国の王として、世界の滅びをそのまま待つことは出来ません。」
「それは...」
すぐにその方法を言おうとして思わず言い淀む...ふと頭をよぎるアイスのこと...俺がこの方法を言えばアイスを切り捨て世界を救う決断をすることになる。...つまり、引き返せなくなるのは確実だろう。
「ファフのことだもん。何か方法はあるんだよね?...でも、それはファフにとってはやりたくない方法なのかな?だから悩んでるの?」
「...っ!?」
ナルニアは覗き込むように俺の顔を見ながらそう喋り、俺は、その通りすぎて思わず目を逸らしてしまった。
「...どうして分かった?」
「私はファフのこと大好きだもん。ずっとファフと一緒にいたんだから何となく考えてる事は分かるよ。」
ナルニアはニコニコ笑顔で子供をあやすような優しい声で言葉を続ける。
「大丈夫!ほら、その方法がどうして出来ないのか言ってみて?ここにはそんなことで絶対怒る人はいないし、アレだったらみんなで他の方法を考えればいいんだよ?」
ナルニアの言葉にハッとなって周りを見渡すと、みんなこくんと大丈夫という顔で頷いていた。
先程まで少し震えていたムーミュも、「無理はせんくてよい!」っとなかなか頼もしい顔をしている...
「実はな...」
星の渦のこと、そこにあった魔神のコアのこと、アイスのこと、そもそも俺が異世界人であること、俺はこの際全てを話すことにした。
俺が全てを話終えるまでみんな静かに話を聞き、話終えるとふむふむとその内容をしっかりとかみ締めてくれた。
そして...
「...なるほどね。私ね。世界とファフなら、私はファフを取るよ。だってファフのいない世界なんてもう考えられないもん。つまりね?人によってどっちを選ぶかは違うと思うの。」
「私は家族と世界なら、悩みに悩んで家族を選んじゃうかも...王女以前に人だしね。」
「皆、自分にとって大切な方を選ぶんじゃ。ファフの悩みは薄情でも何でもないぞ。」
「ちなみに、私なら自分の命よりムーミュ様が大切なので、世界とムーミュ様なら迷わずムーミュ様です!」
みんな大切な方を選ぶ...俺にとってどっちが大切なんだ?
...でも......
「でも、世界はこの方法じゃないと...でもアイスは他の方法もあるかもしれない。」
「それを言い出したら、世界を救う方法も別にあるかもしれんぞ?これでも世界経済を握ってるんじゃ。ナメるでない!それを使って世界を救う方法なんぞ一つや二つ見つけ出してみせるわ!」
でかい胸をぐいっと張りながら任せろっと頼もしく言うムーミュに続いて、アカナが、
「それに、その方法はあなたへの負担が大きすぎます。いくら方法があるからって全てあなたに任せる訳には行きません。浄化スキルや錬金術スキルの問題もありますしね?」
っと続く。
「そうだよ。ファフね?みんなあなたがする必要は無いよ!その魔神のコアはあなたが使いたいように使えばいいんだよ!それで私達が見捨てられたなんて思わないよ。」
俺の手をナルニアが包み込むように握りながら力強く...
「今までファフにいっぱい助けられたから今度は私達がファフがそのコアを世界のために使わなくてもいいように頑張るから!それでね私、浄化スキルについては何とかできるからそれでアイスさんを復活させよ?」
その言葉で俺の中の天秤はどちらを傾けるか悩むことをやめた。
まだ世界が滅びるまで時間はある。
ナルニア達が見つけられなかった時のために魔神のコアはいつでも使える状態にする。
本当にナルニア達がその方法を見つけてくれたなら...その時は魔神のコアをアイスのために使おう。
ナルニアって...ほんといい子ですよね。
ムーミュも、ちゃんとギルマスなだけあってちゃんとしっかりするところではしっかりするんです。




