血が飲みたい
店舗付き住居3階の1番奥の部屋。そこがナルニアと話し合いの末、俺の部屋と決まった。
今はもう夕食を終え、寝る前のフリータイムだ。
特にすることも無く時間を持て余しながらベットの上でゴロゴロしていると...
コンコンッ
っと扉をノックする音が聞こえた。
「ん?ナルニアか?」
この家には俺以外にナルニアしかいないので確定はしているのだが何故か聞いてしまうのは日本人精神なのだろうか?
「うん。入っていい?」
「おう。どうしたこんな時間に。」
...ガチャッっと音を立て部屋に入ってきたナルニアは少し頬を染めて俯きモジモジしていた。
「えとね...今まで血を血液パック?で貰ってたよね。またあれ...くれないかなって。」
ナルニアは吸血鬼なだけあって定期的に何かしらの血を飲む必要がある。
街に着くまでは俺が錬金術用に持っていた血液パックで代用していたがまたそれが欲しいらしい。
「街に動物の血が売ってなかったか?」
「あー...えと、その、さっきそれを飲もうとしたんだけど吐いちゃって...」
錬金術だったり儀式だったりで動物の血を使うことが多々あるため、街の店で動物の血は買うことが出来る。
ナルニアが封印される前は、その街で買ってきた動物の血か、森の中で狩った魔物の血かを飲んでいたらしいが...
「血液パック?の血凄く美味しくて...その舌が肥えちゃったみたいなの。お金は出すから...だから貰えないかな?」
「あぁ...すまん。前にあげた分で最後なんだ。」
「あっ...そうなんだ。ごめんね変なこと聞いちゃって。」
ナルニアは申し訳なさそうに頭を下げた後、俺の部屋の扉に向かう。
「あっまて!」
俺はナルニアを止めるために思わず立ち上がり声を上げた。
「ん?なぁに?」
「あー、そのなんだ。血液パックは無いけど、血液パックの中身の血ならあるんだ。」
「...え?」
俺は自分の体を指さしながら、
「ここにな。」
っと答えた。
実は、錬金術用に持っていた血液パックは、俺の体を作る時に使った材料の余りだ。
錬金術を経て俺の体にはその血が流れていて、しかも怪我したりして血が減っても自動で回復する。
ナルニアの欲しがる血は俺の体からいくらでも提供出来る。
その事を教えられない部分を除いて、ナルニアに説明すると、
「えっ...そうなの?」
「あぁ、だから今すぐ欲しいなら...飲むか?」
ナルニアは少し悩んだ素振りを見せた後、
「...うん...ほしいな。直接飲んでもいいんだよね?」
と答えた。
「おう。どんとこい。」
俺はベットに腰掛け、脱力する。
ナルニアは、そんな俺の肩に手を置き顔を近づけ
「ぁっ...直接飲むのって結構恥ずかしいかも...」
そう耳元で囁いた。
そんなナルニアの顔を横目で見てみると本当に恥ずかしそうに真っ赤になっていてこっちも何だか恥ずかしい気持ちになってきた。
やっと二人のいちゃいちゃをかけそう...
あれ主人公が異世界にきてから四日目?五日目?それで25部って...
進行速度めっちゃ遅いですねこれ。
なんとなく短編書きました。
「人生をかけた魔法研究が世界を終わらせるウイルスに繋がった話」
名前の通りです。サクッと読めるのでよかったら読んでやってください。
https://ncode.syosetu.com/n0459gq/