↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコ・シッター石川結望の業務日誌:9話完結:毎日更新(昼12時)  作者: 秋月心文


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

えっ、100万円?

6日目。

 明日が、運命の7日目だ。

 はたして、採用はしてもらえるのだろうか?

 それなりに懐いてくれてる気はするのだが?


結望ゆのちゃん、仕事は慣れた」

「あ、はい。全然余裕です。そ、そろそろ7日目ですよね?」

「7日目?」

 何のこと? という顔をされている。あれぇ?


「あぁ、これの準備に7日くらいかかるって言ってたかしら」

 そう言って雇用契約書を差し出した。

 え?

 採用確定ってこと?

「ホントは1日目から渡さないといけなかったんだけどね。

 こういうの初めてだから、詳しい人捕まえて準備してたの。

 時間がかかってごめんね。」

 まぁ、ふつうの人がいきなり雇用主になったんだもんな。


「あなたの方が嫌にならないか気にしてただけよ」

 あれ?

 採用を決めるのはネコじゃなく、私自身だったってこと?


「え? あれ?」

「アズキは嫌いな人には、そもそも近寄らないから。

 初日で、膝の上に乗っている時点で合格だったわ」

 初日にアズキの合格はもらっていたってこと?


「そうなの?」

「えぇ」

 そうとなれば、早速引越しだ。

 前の家の契約も止めないと。


「あと、これ」

 ゴトッ。

 奥様は、厚めの封筒を差し出した。

 中には、一万円札が紙の帯で束ねられたものが入ってた。

 紙の帯には金融機関の名前と、

 「1,000,000円」という金額印字されていた。


 え?

 一、十、……、一万、十万、百万。

 100万~!?


「あの、これは?」

「引越しとか、お金かかるでしょ。

 今住んでるところも、いきなり解約できないだろうから、あと数か月は払わないといけないだろうし。

 そういう諸々の諸経費よ。足りなかったら言ってね」


 サラッと言われたけど……。

 100万円の札束って、人生で初めて見たんだが。

 テレビドラマの中でしか見たことないんだが。


「ありがとう、ございます。すごく助かります」

「ふつうの有休とは別に、有給の引越し休暇を10日用意してるので、それを使って引越してね」


 有給の引越し休暇?

 ふつうの有休も年20日あるって話だったな。

 それと別に10日もいいのか?

 すっご……。

 前の会社、何年も働いて年10日しかなかったんだが。


 まぁ、荷造りで時間かかるので、助かるけど。

 いや、100万円もあったら、

 荷造りおまかせパックでいいのでは?


「十分です」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 こうして私は、晴れて定職を得た。

 今度の仕事は、定年というものがない。

 基本給は18万円だけど、住居費、光熱費、食費、インターネット代はかからない。

 保険とかの出費はあるけど、使えるお金はかなり多い。


 基本給は数年おきに見直すという。

 さらにネコが増えると基本給を上げると言っていた。

 1匹につき1万円くらい。

 ネコが0匹になっても雇用は続けるという契約だ。


 悪くない。何よりネコ好きの私には悪くない。

 1日8時間。ネコを世話して遊んで。

 週休2日で、祝日も休みで、有休も年20日。


 さぁ、荷造りに向かうぞ。

 今、住んでいるアパートは、ワンルーム12畳。

 私に用意されてる部屋は16畳。

 適当に入れても全部収まりそうだ。

 しかも今度の部屋は冷暖房完備だ。

 めちゃくちゃ快適なのだ。


 引越は荷造りおまかせパックを使うことにした。

 荷造りも、開梱も、段ボールの処分もしてくれるらしい。

 いらない家具や家電も引き取ってくれるという。

 綾瀬家では、掃除機などの家電もふつうに使わせてもらえる。

 だから、何にもいらない。


 もう仕分けるのが面倒だ。

 なにより、早くアズキのいる空間に戻りたい。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「え? もう済ませちゃったの?」

「はい。1週間後に立ち会いのために、2日ほどお休みをもらいますけど」

「その間、休んでても良かったのよ」

「ネコと遊んでる方が落ち着くんで」


 こうして、私は戻ってきた。アズキのいる空間に……。

 お読みいただき、ありがとうございます!


 少しでも楽しんでいただけましたら、

 ★や【ブックマーク】で応援していただけると、

 今後の創作活動の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。