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記憶  作者: ミカクニン
第二章 −泡沫の思い出−
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第26話 −模擬戦(1)−

もぎもぎ

「さぁリオ!今から訓錬をするぞ!」


「はい!」


戦闘訓練場には様々な種目に類別された訓練場があり、リオたちはそのうちの一つである『近接格闘術』を訓練することができる場所に来ていた。


「ここでは近接戦に特化した訓練をすることができる。まぁ最初はリオの実力を見てみよう。」


「え、実力って?」


「リオの身体能力がどれくらいか確かめるだけだから!ってことでまずはこの訓練兵と模擬戦してみよっか!」


そう言うとリュコは、いつのまにか連れてきていた訓練兵をこちらと向かい合わせにする。


「ちょっと待ってくれよ。なんで俺がこんな弱そうなやつと戦わなきゃなんないんだよ。はっきり言って時間の無駄だ。」


「ちょっと、そこまで言わなくても良いじゃん!」


リュコが訓練兵の言動をとがめる。だが、訓練兵はそれをどうとも思っていない様子だった。


「...。」


訓練兵に何も言い返せず、ただ黙っているしかなかった。実際、自分が弱いことは事実だった。


「弱いかどうかは実際に戦って決めたらどうだ?」


「え...?」


今まで黙っていたレイは訓練兵をさとすようにそう言った。


「そうだそうだ!自分の主観だけで物を言うな!!」


レイの言葉に続いてリュコも訓練兵に言葉をぶつける。


「え、えっと二人共。僕が弱いのは事実だか──」


「はぁ、わかったよ。やりゃ良いんだろ。」


訓練兵は気怠げにそう言う。


「そういえばリオ、さっきなんか言った?」


リュコは笑顔でそう聞いてくる。だが、その笑顔からは圧を感じる。


「い、いや、なんでもない...」


「そっか!じゃあ場所を作るから待ってて!」


いつもの屈託くったくのない笑顔でリュコはどこかへ行ってしまった。


「リオ、大丈夫だ。絶対に勝てるから。」


レイはそう言うと頭を優しく撫でる。


「あ、ごめん。つい...」


「大丈夫だよ。レイ...ありがとう。」


お礼を言うと、レイは安心したように見えた。


「おーい!二人共!来てー!」


リュコはジャンプをしながらこちらに手をふり、こちらに来るように呼びかける。


「チッ、俺はお前みたいなガキには絶対に負けねぇからな。」


訓練兵は舌打ちをしてこちらを睨むと、ふん。と鼻を鳴らし、リュコのいる方へと向かっていった。


「あいつのこと、見返してやれ。」


「うん!ちゃんと見ててね!」


そう言ってレイと別れ、リュコがいるところへと向かう。



***



「模擬戦ってやったことないから、どうしたら良いんだろうか。」


リオと一人の訓練兵の周りにはいつの間にか人集りができていた。


「あ!ちなみに、ルールは相手の膝を地面につけさせたら勝ち。」


「それ今考えたやつでしょ。」


「あ、バレた?まぁとりあえず、三本勝負だから先に二本取ったほうが勝ちだから!」


リュコは少し遠くからこちらに向かってそう高談する。


「どうしよう、ここまで来たら後に引けない...いや。強くなるって決めたんだ!レイとも約束した。頑張るぞ!」


自分に喝を入れ、相手を力強く睨む。すると、相手も何かを察したのか、構えを取る。所謂いわゆる戦闘態勢である。


(頑張るとは言ったけど、こんな形で戦ったことなんてないし...とりあえず適当に構えておこう。)


そんなことを考えながら、相手と同じような構えを取る。


「二人共、準備が整ったみたいだね。よし、じゃあ...第一回戦、開始!」


次回も楽しみにして...

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