第23話 −新しい仲間−
失踪しません。絶対に。
「リュコとレイを、リオの旅に同行させたいんだ。」
「「え?」」
リュコとレイは同時に声を発する。
「頼む。こいつには二人が必要なんだ。」
いつものおじさんとは違い、とても真剣な表情をしていた。
「ちょっとまってよ、そんなこと急に言われても...」
リュコは困惑した表情でそう言う。
「...そうだな。まずは理由を聞かせてもらおうか。」
アキラは依然として表情を変えず、淡々とそう聞く。
「わかった。」
おじさんはそう言うと、ここに来るまでの出来事を三人に話し始めた。僕には白とダネスという仲間がいて、その二人と一緒に悪魔退治をしながら記憶を取り戻す旅をしていたこと。その二人が旅の途中で悪魔に連れ去られてしまったこと。二人を助けるための仲間集めと情報収集をするためにここへ来たこと...
「なるほどな。状況はなんとなくわかった。」
話を聞き終えたアキラはそう言う。
「嬢ちゃんの旅に同行するかどうかは二人に任せる。この旅は危険なものになる。最悪の場合死ぬかもしれないからな。それを踏まえた上で、どうだ?」
「...俺は行く。」
レイは少し迷った後にそう一言。
「目の前に困っている人がいるのに、無視なんてできない。」
「...私も、行くよ。こんな私でも、誰かの役に立てるのなら。」
リュコはそう言うとこちらを向き、
「よろしくね!」
と明るい笑顔で言う。
「アキラ、良いか?二人を行かせても。」
「あぁ、別に構わんぞ。」
「よかったな、リオ。」
おじさんはそう言うと、頭を乱雑に撫でる。
「うん。本当にありがとう。ヨウおじさん、リュコ、レイ、アキラおじさん。」
「へへっ、アキラおじさんだって。」
リュコはそう言うと、にやにやと笑う。
「...だまれ。」
アキラは不機嫌そうにそう言う。
「そんなこと言っちゃって、本当は嬉しいんでしょ〜?」
リュコとレイは一緒に楽しそうにクスクスと笑っている。
「...?」
二人がなんのことを言っているのかが分からず、首をかしげる。
「教官、こんな姿してるから子供たちが見たら怖がって泣いちゃうんだ。」
「そうなの?」
「うん。それで、「アキラおじさん」なんて初めて言われたから嬉しいんだって!」
リュコからそれを聞いてアキラの方を向くと、顔を背けられてしまった。
「教官って意外と繊細なんだよね〜。」
「リュコ、あまり余計なことを吹き込むな。」
「余計じゃないよ!大事なことだよ!」
いつのまにか、先程までの緊張感のある空気ではなくなっていた。
「よし、二人の仲間入りが決まったところで、俺はまた仕事に戻るとするよ。」
「えー、もう戻っちゃうの?」
リュコは尻尾を力なく垂れ下げ、とても残念そうにする。
「まぁ、まだやることが残ってるからな。」
「そっか...絶対、帰ってきてね。」
「わかってるよ。それじゃ俺は行くわ。」
おじさんはそう言うと、椅子から立ち上がり、部屋を後にする。その様子を、リュコは名残惜しそうに見つめていた。おじさんが出ていってすぐに、部屋の中に沈黙が流れる。
「あの...」
ずっとこのままではいけないと思い、言葉を発する。
「どうしたの?」
リュコはその問いかけに反応する。
「その、旅に出る前に、ここで訓練をしたいなって...」
三人の顔を見てみると、レイは全く分からないが、二人は少し驚いたような表情をしていた。
「ここに来る前の旅は、守られてばかりだったから、強くなりたい。戦えるようになりたい。」
「...そうか、わかった。」
今まで静かに話を聞いていたアキラは、そう言うと、組んでいた腕を外す。
「それならば、レイとリュコに鍛えさせよう。」
「「え?」」
本日二回目である。
「な、なんで私達が?教官はどうするの?」
「俺は街で情報を集めてくる。何か有力な情報があればお前たちに伝える。」
「でもそれは私達でやっても良くない?」
「共に旅をする仲間だろう。お互いのことを知っておいた方が良い。」
「俺は、教官の言うことは一理あると思う。」
レイは考えるような仕草を見せ、そう言う。
「レイが言うなら...リオも、それでいいかな?」
リュコはこちらを向いてそう聞いてくる。
「うん。」
「ひとまずやることは決まったな。」
「そうだね。じゃあレイ、リオ、行こ!」
リュコは立ち上がり、笑顔でそう言う。
「あー...リュコと教官は先に部屋から出てくれないか。」
「え?」
思わず疑問の声が出てしまう。リュコとアキラおじさんがこの部屋から出ていくということは、必然的にレイと二人きりになってしまう。
「どうして?」
リュコはレイに疑問を投げかける。
「リオと"二人きり"で話したいことがあるから。」
二人きりになって一体なにを話すというのだろうか。
「ふーん、わかった。じゃあ先に行ってるね。」
リュコはそう言うと、アキラおじさんと共に部屋から出ていってしまった。
「大丈夫、すぐに終わるから、多分。」
「多分?」
「うん。だからそんなに緊張しないでほしい。」
レイは、優しい声色で言う。
「わかった...」
「よし、それじゃあリオに一つ聞くけど、自分がどんな能力を持っているのか、わかる?」
〜キャラ紹介〜
名前)リュコ 性別)女 種族)獣人族(人×狼)
年齢)9歳(人間の年齢で言うと18歳)
身長)164cm 体重)約53kg
好きなこと)体を動かすこと
嫌いなこと)難しい本を読むこと
その他)獣人族は人間よりも成長スピードが早く、身体能力が高い。そのかわり、人間と比べて寿命が半分短い。人間でいう50歳は獣人族では100歳となります。




