第19話 −城下町−
失踪不可避!!!...すみませんでした。
広い大地の中に、人的に作られた長々と続く道を、二人を乗せた馬は悠々と駆けていく。
「そういえば...」
なんの変化もない景色を、興味深く眺めていたリオは、突然何かを思い出したかのように言葉を発する。
「王国には何しに行くの?」
「そうだな、まずは仲間集めだ。二人を助けに行く上で嬢ちゃん一人じゃ何かと心配だからな。」
「確かに、そうだね。」
「あとは、情報収集とかだな。どんな情報でも、知っておいて損はないからな!」
ハッハッハ!と陽気に笑うヨウとは違い、リオは先程から感じている違和感の正体を探っていた。
─どんな情報でも、知っておいて損はない。─
誰かが、同じようなことを言っていた気がする。朧気だけど、確かにそう感じる。
「嬢ちゃん、どうかしたのか?」
深く考え込んでいると、おじさんが心配そうな声でそう問いかけてくる。
「あ、ごめん。なんでもないよ、大丈夫。」
心配をかけまいと、いつもと変わらない声色で返事を返す。
「そうか?それならいいんだが...」
「...。」
なんとも言えない空気が流れる。馬の駆ける音だけが、二人の耳を支配する。
「そうだ、王国ってあとどれくらいで着くの?」
少し前から疑問に思っていたことを聞く。もちろん、空気を変えるためでもあるが...
「ん?もう少しで着くぞ。」
「え?」
「ほら、あそこに見えるだろ。」
そう言いながら、おじさんは指をさす。差された方角を見てみると、少し遠くに城のようなものが見えてきていた。
「ほんとだ...全然気づかなかった。」
「それぐらいこの馬が速いってことだな!」
おじさんは笑いながら、まるで自分のことかのように自慢気にそう言う。
「普通の馬と変わらない気がするけどなぁ。」
「かぁ〜っ!!これだから馬の違いのわからん奴は...」
「いやいや!本当に変わらないでしょ!」
「いや、変わるね。」
「変わらないよ!」
「変わる!!」
そんな口論を続けていると、いつの間にか門のようなところの前まで来ていた。
「ここからは馬から降りていくことになる。」
ヨウは先に馬から降り、リオを降ろす。
「おっきな門...初めて見た!」
「すげぇだろ。俺も初めて見たときは同じ気持ちだったぜ。」
門のまわりを見ていると、槍を持った兵士が立っているのが見えた。
「ねぇおじさん。あれ、誰?」
「あれは門番だ。出入りする人を監視したり、門の開閉をしたりするんだ。」
「へぇ。結構重要な役割を持ってるんだね。」
「まぁ、そうだな。」
二人が門番の前まで来ると、門番は敬礼をし、
「お疲れ様です!少佐!」
と、大きな声でそう言った。
「おう、お前もご苦労さん。」
ヨウも、門番に労りの言葉を返す。そして二人は大きな門をくぐり抜け、城下街へと着く。
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