第18話 −出発−
お久しぶりです。遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
「───、───、大丈夫?」
聞いたことのある声が耳に響き、リオはそれによって起こされる。
(ここは、何処?自分がさっきまで居た宿じゃなさそう...)
あたりを見回すと、焼け崩れた建物や、沢山の人の死体があった。
(何、ここ...)
目の前の異様な光景に、恐怖が芽生える。
「───、よく聞いて。」
どこからか再び声が発せられる。声のする方に顔を向けると、自分のすぐ目の前に誰かが居るのがわかった。
「あなたは一人で逃げるの。良い?」
目の前の人物は、周りの景色と違ってぼやけており、一体どんな人物なのかを確認することができなかった。
「ごめんね...───、」
その一言を聞いた瞬間、ぷつんと意識が切れる。
「ん...」
目を開くと、そこは宿の一室だった。リオは起き上がり、周囲を確認する。
「なんだ、今の...夢..?」
あの人は、一体誰なのだろうか。どうしてあの人だけが、ぼやけて見えたのだろうか...
今みた夢の内容を思い出していると、とあることに気が付く。
「あの人の声、どこかで聞いたことあると思ったら...そうだ、あの時だ!」
おじさんと初めて会ったときの...
−あなたの名前は『リオ』。今はそう名乗りなさい−
この人だ、間違いない。
「夢にまで出てくるなんて...一体誰なんだ?」
そう。名前を教えてくれた女性だということはわかったが、結局のところ誰なのかが解っていない。
「そういえば、最後...なんて言ってたんだろ。」
ごめんね...そう言った後、確かに何か言っていた。
「何かを伝えようとしてるとか、かな。」
そんなことを自問していると、自分の部屋のドアを叩く音がした。
「嬢ちゃん、起きてるか?」
聞き慣れた声が、ドアの向こうから聞こえてきた。
「おじさん!?」
突然の来訪者に、リオは慌ててベッドから降り、部屋のドアを開ける。
「ご、ごめんおじさん、今さっき起きたばっかりで...」
「いや、俺の方こそ急に来て悪かった。本当は外で待ってるつもりだったんだが、起きてるか心配になってだな。」
「本当にごめん、おじさん!急いで準備するから!」
「そうか、それじゃ俺は宿の近くで待ってるからな。あんまり焦るなよ。」
おじさんの優しい声に、今までの焦りが落ち着いていくのがわかった。
「ありがとう、おじさん。じゃあまた後で。」
おじさんは「おう。」と言い、背を向け歩いていく。
リオはその様子を見て、部屋のドアを閉める。
「よし、準備しよう。」
寝間着からいつもの服に着替え、持ち物を確認する。
「よし、これで準備完了!意外と早く終わっちゃったかも。」
リオはそう言いながら寝間着を持ち、部屋を出る。
宿の廊下を歩いていると、ふと先程の夢のことを思い出す。あれは結局何なのだろうかと、終始何も分からずにいると、いつの間にか入口近くまで来ていた。
(とりあえず、夢のことは一旦置いておこう。)
入口近くにある受付にいる人に寝間着を返し、宿を出る。
(おじさんはどこだろう。)
周辺を少し見回すと、すぐに見つけることができた。
「おじさん!」
そう言いながらおじさんの元へと駆け寄る。すると、こちらに気づいたのか大きく手を振る。
「意外と早かったな。それじゃあ早速だが、もう行こうか。」
「もしかして、この馬に乗って行くの?」
おじさんの背後には、鎧のようなものを身に着けている馬がいた。
「あぁ、そうだ。かっこいいだろ?」
おじさんは自慢気に言う。
「すっごくかっこいい!」
リオは目を輝かせる。
「一緒に乗っていくからな。」
ヨウはリオを先に馬に乗せ、リオの後ろになるように乗る。
「よし、じゃあ行くぞ!」
ヨウはそう言い、馬を走らせる。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。




