第17話 −二人のいない街−
頑張りました。
「───そうか、そんなことが...」
リオとヨウは、教会から少し離れた場所にある人気のないところに来ていた。リオはそこで、教会で何があったのか、自分の知っている限りのことを全てヨウに説明した。
「ところで、おじさんはなんでこの街にいたの?」
「あぁ、そうそう。それについて言い忘れてたことがあってだな...」
ヨウは頭を掻きながら少し申し訳無さそうに言う。
「実は俺たちもこの街に来る予定だったんだ。前の町の処理が終わったら、この街の調査をしろと言われてて...」
「調査って、どんなことするの?」
「まぁ、具体的に言えば治安のことだとか、兵士たちの護衛の様子だとかだな。そんなこんなで、ここに来てみたらあの有様だったってわけだ。」
「そうだったんだ...」
リオがそう言うと、ヨウはとても気まずそうな顔をする。
「おじさん、どうしたの?」
「あぁ、えーっとだな、その...」
ヨウは、何かとても言いにくそうな顔をしながら
「...すまなかった。」
と、謝罪の言葉を少しの間を開けて放った。その言葉に、リオはキョトンとする。
「俺が、嬢ちゃんたちにこの街に行くことを勧めたから、こんなことになっちまったんだ...」
ヨウは、今回起きたこの騒動のことを自分のせいだと、酷く自分を責めていた。
「本当に、すまなかった...」
「...ちがうよ。」
酷く責められると思っていたが、それとは真逆の返答に、ヨウは驚きを隠せなかった。
「こんなことが起きるなんて、誰も分からなかった。誰のせいでもないんだから、謝らないで。」
「っはは、そんなこと言われるだなんてな。正直、責められると思ってたよ。」
ヨウは、思わず本音をこぼす。
「そんなことはしないよ。だって、分からなかったでしょ?こんなことになるなんて。」
「そりゃあな。」
「責めたって仕方ないじゃん。」
「そうかもな。ほんと、すごいな。嬢ちゃんは。俺の考えてたことの裏をかいてくる。」
「そう?」
「あぁ、初めて会ったときもそうだったな。」
「あれはおじさんの勘違いでしょ。僕は何もしてないよ。」
確かに、と言いながらヨウは笑う。張り詰めた空気が和んでいく。
「そうだ、嬢ちゃん。これからどーすんだ?」
「え?えーっと...」
突然の質問に口ごもってしまう。だが、これからどうすれば良いかは、はっきりしていた。
「...二人を、助けに行く。」
「そうか...なぁ、嬢ちゃん。二人を助けに行く前に、少し遠いんだが来てほしいところがあるんだ。」
「来てほしいところ?」
「あぁ。今すぐ二人を助けに行くってなっても嬢ちゃん一人じゃ、すぐ死んじまうだろうからな。そもそも、どこに連れ去られたかもわからないんだろ?」
「うん...」
「よし、じゃあ決まりだな。ここでウジウジ考えてるよりも、なにか行動してみた方が良いだろ?」
おじさんの言葉を聞いて、ホッとしたような気持ちになった。
「そう..だね。ありがとう、おじさん。僕一人じゃどうしようもなかったよ。」
「良いってことよ!さぁ、行こう!と言いたいところなんだが...」
「どうかしたの?」
「今この街を出ると、途中で夜になって危険なんだ。だから今日はこの街で泊まることにしようと思う。」
今まで全く気にしていなかったが、空を見上げるると、もう日が暮れ始めていた。
「あ、宿のことは心配するな。この街には何度か来たことがあってだな、場所はわかってる。それと、金は俺が出すから。」
「いいの?」
「あぁ。だって嬢ちゃん、金持ってねーだろ?」
「そうだね...」
「ん、どうした?浮かない顔して。」
「あ、いや、その...いつも誰かに助けてもらってばかりだから...」
「何だ、そんなことか。」
おじさんはそう言うと、一笑する。自分にとっては笑い事ではないのだが。
「子供のうちはいろんな人に頼っとけ。」
「この年で子供扱いされるのはちょっと...」
「なんだ?嫌だったか?」
「そりゃあね。」
そう言うとおじさんはまた笑う。それに対して顔を顰めると、
「いやー、すまんすまん。つい面白くてだな。」
それに気が付いたのか、思ってもいないであろうことを言う。
「行こう。もう日が落ちちゃうよ。」
「っはは、そうだな。」
二人はそう言うとその場をあとにし、宿へと向かう。
「ところで、おじさんが言ってた来てほしいところってどこなの?」
「ん?あぁ、それはだな...“グラジオラス王国”だ。」
「グラジオラス、王国...変わった名前だね。」
「そうか?まぁ、かなりでかいとこだぞ。人も沢山いるし、この街とは比べ物にならないくらい広い。」
「そりゃ王国って言ってるからね。」
「そこに行って情報を集めれば、これからどうすれば良いか少しはわかるかもな。」
暫く歩いていると、とある建物の前に着く。
「ここが、俺たちがこの街に来たときにいつも泊まってる宿だ。嬢ちゃんはここで一晩過ごしてくれ。」
「おじさんは?」
「俺はこの街の警備を他の兵士たちと一緒にやらなきゃだからな。」
「そっか...」
「心配すんなって。俺はまだ死ぬ気はねぇよ。」
ヨウは、頭を荒々しく撫でる。
「ほら、これ持って行け。」
おじさんは、小さな皮の袋から丸い金属のようなものを取り出し、こちらに手渡す。
「日が完全に上りきったら迎えに行く。」
「わかった。おじさん、気を付けてね。」
「言われなくてもわかってるよ。それじゃあな。」
おじさんはそう言うと、走り去って行った。
リオは、宿の中に入ると受付でお金を払う。すると、受付人に部屋の番号が書かれた札と一緒に服を渡される。
「寝る際は、この"寝間着"をご使用ください。この宿を出ていかれる際は、寝間着は番号札と一緒に受付へとお持ちください。」
そう説明を受け、寝間着と番号札を受け取り、部屋へと向かう。
書くことがありませんでした。




