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記憶  作者: ミカクニン
第一章 −喪失−
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第15話 −鏡の悪魔−

うぇ〜ん

「随分と手こずっているみたいですね。」


神父は銃を下ろすと、ニヤニヤと見下すかのような顔をする。


「...。」


(つくも)は神父を睨みつける。


「そんな怖い顔しないでくださいよ。」


神父は白の睨みに笑顔で返す。


「それはそうと...ダネスさん。」


「なんだよ。」


「先程から本気を出しているようには感じられないのですが...」


「は?」


「こんな格下相手に本気を出すまでもない、と。」


「何言ってんだお前。あ、もしかして、余の本気を見たいのか?まぁ、見たいと言っても見せる気はないけど。」


「そうですか...それは残念です。」


「全然残念がっているようには見えないんですけど。」


「白さんも、本気を出さないと負けてしまいますよ?」


「なんだよお前...」


「まぁ良いでしょう。さぁ、そろそろ真面目にやらせていただきますよ。」


神父は銃を構えるでもなく、どこかを見つめている。


(どう来る...)


白は神父をじっと見ながら動きを予測する。


「白!」


突然、横から自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。反射的に声の聞こえた方を見ると同時に体を押され、柱に打ち付けられる。


「っ...」


すると、何かが割れる音が教会の中に響き渡る。その音に耳を痛めながらも、音がした方を確認するとそこらかしこにガラスの破片が散らばっていた。


「...ダネス?」


先程まで同じ空間にいたダネスが居なくなっていた。


「やっぱり、そうすると思っていましたよ。」


神父はまるで分かっていたかのように言う。


「おい、ダネスはどこだ。」


「魔界です。」


「...は?」


「鏡を飛ばしてダネスさんを魔界へ送ったんですよ。本当はあなたが良かったんですが、どちらにせよ魔界へ連れて行くつもりでしたので。」


「鏡を飛ばすって、どういうことだ。」


「あぁ、言ってませんでしたね。実は私、出した鏡を自由に動かすことができるんですよね。それで、あなたに向かって鏡を飛ばした。そうしたら、ダネスさんがあなたを押し飛ばして、魔界へ送られた。わかりましたか?」


神父の説明を淡々と聞いていた中である一つの疑問が出てきた。


「お前、少し前に鏡は壊せないと言ってなかったか?」


「えぇ、確かにそれらしいことは言っていましたね。」


「じゃあなぜ鏡が割れてるんだ。」


「それはですね、この鏡の反射される部分に収まる攻撃は全て吸い込まれるということです。先程私がやったのは、鏡を地面に叩きつけることで吸い込みきれない衝撃を与え、破壊した。」


神父は得意げそうにそう語る。


「わかって頂けたでしょうか。」


「...。」


白はなにも返さない。


「そうですか...それで、これからどうするおつもりで?」


「...お前を倒す。」


「それはそれは...頑張ってください。」


「───で、こいつどーするんだよ。」


「もう、殺っちゃお!」


「ひぇ...」


悪魔たちはリオをどうするか、眼の前で話し合っている。


「俺は恐怖を存分に与えてから殺したんだけどな〜。ねぇ、君はどんなふうに殺されたい?」


「僕は...まだ死にたくない...」


「あっはは、そっかそっか。」


一体の悪魔は笑いながらリオの頭を撫でる。そんなことをしていると、教会の中から突然、何かが割れる大きな音が聞こえてきた。


「な、なに!?」


「お〜殺ってる殺ってる。」


一体の悪魔が笑いながらそう言う。


「いいな〜俺も早く人間どもを殺りまくりたいな!」


「そうだな。じゃあとりあえず、この街のやつら殺りに行こうぜ。」


「え?」


「そうだな。ほら、行くぞ。」


「ちょっ、うわ!?」


頭を撫でてきていた悪魔はそう言うと、リオを軽々と担ぐ。


「軽いな、ちゃんとご飯食べてる?」


「食べてるよ!それよりも下ろして!」


リオは悪魔の肩の上でジタバタと暴れる。


「おっと、あんまり暴れないでくれよ。これ以上暴れると面倒だから足の骨折っちゃうよ?」


「うぅ...」


リオは悪魔に脅され、大人しくなってしまう。


「うわ、また来たよ...」


別の悪魔が面倒くさそうな顔でそう言う。


「ん?どうした?」


「あれ。」


悪魔はある方向を指差す。その方角を見ると、たくさんの兵士たちがこちらに向かって走ってきているのが見える。


「ま、暇つぶしにはなるし、良っか。」


「じゃあ向こうのはお前らに任せるわ。」


「おっけー任せて。」


悪魔たちは次々に言葉を交わしていく。


「よーし、じゃあ行こうか。」

 

(このまま何もしなかったら死ぬ。どうしよう...あ、そうだ!)


リオはナイフを取り出すと、高く振り上げ、悪魔の背中に勢いよく刺す。


「っ!?」


悪魔は刺された勢いで体制を崩す。リオは肩から降りると、急いで教会の方へと向かう。


「おいおい、何油断してんだよ。」


「クソ...人間如きが、殺してやる!」


悪魔は背中に刺さったナイフを抜き、投げ捨てる。


「はぁ、はぁ...」


リオは息を切らしながらも教会の前へと着くと、開いたままになっている教会の扉から、中へと入る。


「白!ダネス!」


リオは教会の中へと入り、そう言う。


「おや、先程の。」


教会の中には神父唯一人だけだった。

うぇ〜い

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