第14話 −危機−
いぇ〜い
「うぅ〜ん...」
今、僕はとても悩んでいるのだ。
「二人のところに行ったら、足手まといになっちゃうよな...でも、このまま何もせずにいるのもなぁ......」
そう、ダネスと白になにかできることはないかと悩んでいるのだ。
「僕がもっと強ければ...」
教会の中からは銃声や、金属がぶつかる音が聞こえてくる。
「ん?どうしたんだ?」
「教会の中からなにか聞こえてくるぞ。」
近くを通りすがっていた人たちが音を聞きつけ、教会の中へ入ろうとする。
「だ、ダメです!入っちゃダメです!」
「あ?なんだよお前。なんでダメなんだよ。」
「な、中はとても危険なんです!入ったら、えと、その...死んじゃいますよ!!」
「はぁ?そんなわけねぇだろ。」
街の人と押し問答をしていると、再び教会の中から銃声が聞こえる。
「これは...銃声だ!」
「中には神父様が...!」
「なんてことだ...これは、神への反逆...」
「皆さん、落ち着いてください!」
周りから更に人が集まってくる。
「──外が随分と騒がしいですねぇ。」
神父は銃に弾を込め、笑いながらそう言う。
(くそ...攻撃が全然当たらねぇ...)
ダネスと白の二人がかりで神父にかかっていくが、鏡の中に逃げ込まれたり、上手いこと躱されてしまう。
「うるさいので少々黙らせますか。」
神父はそう言うと、再び指を鳴らす。すると、頭上にあった鏡が一つ消える。
「貴様、何をした!」
「教会の外に鏡を出しました。あの鏡は魔界と繋がっているため、そこから悪魔が出てきます。」
「なっ...!」
「白!外の人を助けに──」
「おっと、行かせませんよ。」
突然、扉の前に鏡が現れる。
「壊そうとしても無駄ですよ。攻撃が鏡の中へと吸い込まれてゆくだけ...さぁ、闘いを再開しようか。」
同時刻、教会外では───
「ねぇ、どうなってるの?」
「教会から銃の音が聞こえたんだって。」
沢山の人がひっきりなしに群がってくる。
「ど、どうしたら...」
リオがそう困っていると、
「おぉ、人間がいっぱい居るなぁ。」
不意に誰かの声がする。それと同時に嫌な気配がリオを纏う。
「上!?」
咄嗟に上を見ると、鏡の中から複数の悪魔が出てきていた。
「な、何だあれ!?」
「あ、あれは...悪魔だ!」
その一言を聞いた瞬間、群衆は皆散り散りに逃げてゆく。
「なかなか殺しがいがあるぞ、これは。」
「こんなに沢山居るの見たの久々だな。」
「よっしゃ、いっちょ殺るか!」
(とんでもないこと言ってるぅぅぅぅぅぅ!!?)
リオは、群衆が逃げているときに咄嗟に物陰に身を隠していた。
(どうしようどうしよう...ここにはダネスも白もいない。僕ひとりでどうにかしなきゃいけない......)
「僕が今持っている武器は...ナイフ一本...」
いやこれでどうしろと。無理だろこんなん。
そんなことを考えていると、遠くから声がする。
「こっちに向かってきてる...?」
よく見てみると、たくさんの兵士たちが、武器を持ってこちらに向かってきているのがわかった。
「待てぇい!悪魔共!」
「あ?なんだあいつ。」
「兵士の威信にかけ、奴らを倒すぞぉぉぉ!」
そう一人が大きく叫ぶと、周りの兵士たちも大声で叫ぶ。
「大丈夫かな...」
「まぁ、あいつら弱そうだし無理なんじゃねーの?」
「う〜ん...そうだけど......ん?」
ここにいるのは僕一人のはず...今の声は一体、?
恐る恐る声のした方を見る。
「よぉ、ニンゲン。」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!化け物ぉ!?」
「俺そんな酷い見た目してたっけ?」
「な、なんで、ここ、に...」
「何してるのかなーって思って。何してたの?」
悪魔は気さくに問いかけてくる。
「え、あ、えと、か、隠れてた......」
「全然隠れられてなかったよ。」
「えぇ、そんな...」
軽く絶望していると、悪魔は背中に手を当て、軽く叩いてくる。
「だいじょぶだって。取って食ったりはしないから、そんなに怯えんなって。」
笑顔でそう言ってくるがこっちからしたらものすごく怖い。
「取って食われはしないけど、殺されちゃうやつじゃんかぁ...」
「あはは、君面白いね。」
(殺すことに関しては否定しないんだ...)
「君から何もしてこなければこっちだって手を出すつもりはない。ね?怖くないでしょ?」
「何を根拠に怖くないと言えるのですか。」
「あはは、やっぱ君面白いね。」
(なんだコイツ、何考えてるかよくわからない...とりあえずこの場をどうにかしなきゃ...)
「あ、あの、僕ちょっと教会に行きたいんすけど、」
「え?だめだよ?」
「へ?」
「俺から離れたら殺すから。」
悪魔は笑顔でそう言う。
「んな理不尽な...」
「あはは。お、終わったみたいだよ。」
「え?なにが──」
そう言いかけた瞬間、目の前に兵士であろう生首が転がってきたのだ。
「おい、こいつら片付け終わったから次行くぞ。」
「まって、この子も連れてく。」
「え?」
「なに言ってんだよ。そんなガキ、邪魔なだけだろ。さっさと殺しちまえよ。」
(ひえぇぇぇぇぇ、怖い......)
「ダメダメ、すぐに殺しちゃ面白くないだろ。人が眼の前で死ぬところを見せつけて、恐怖のどん底に陥れたときに殺すのが一番気持ち良いんじゃないか。」
(あぁ、コイツら、やべぇ。)
リオは密かに悪魔がやばい奴らであることを再び確信したのだった。
大変だね〜




